Symphony【病系】【短編集】

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橙side








莉犬と気まずくなってから、めっきり話すことがなくなってしまった


俺の治療期間も一旦終わり、今は検査とその結果待ちの時間




俺がここに来てから昼間は開けっ放しが多かったカーテンは、締まりきっていて時折聞こえる咳と、少し病室を出る時に彼を感じるぐらいだ


謝りたい

莉犬がどんな病気と戦って、どんな人生を歩んで来たのかなんて知らないけど、傷つけてしまったのは明白だから






「 …莉犬〜？ 」

勇気をだして、初めて自分から彼のベッドのカーテンを開けてみる



「 、あれ 」

ベッドの上に莉犬の姿は無かった

俺が仮眠とっている間にどこかに行ったんだろうか…





少ししたら戻ってくるだろうと、待つことにしたが、日が沈んでも彼は戻ってこなくて胸がザワザワとしだした

夕飯時になっても戻ってこなかったので、夕食を運んできてくれた看護師さんに聞く



「 あ、莉犬くん…お昼頃に中庭で倒れられてて、今は集中治療室に 」

「 え、莉犬大丈夫なんですか！？ 」

「 …私には分かりません 」



心配で心配でたまらなかった

元気な子だと思っていたのに、急に居なくなってしまいそうで怖かった






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その日は、あまり眠れなくて次の日朝早くから俺は集中治療室に向かった


ガラス越しに沢山並ぶベッド

そこのひとつに、彼が眠っている


酸素マスクをつけて、近くには常にお医者さんや看護師さんがいる状態



病院ってこういうところだったと麻痺していた感情が蘇ってくる






呼吸が段々と苦しくなって、その場にしゃがみこむ


「 …ｯｶｧ、ﾊｧ…ﾊｧｯ…… 」

なんで俺はこんなに弱いん？もう諦めたはずやのに、どうして生きたいとか思ってしまってるんや？



どうやって病室に戻ったかは分からない

気がついたら自分のベッドにいて、莉犬と同じ酸素マスクが口につけられていた





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