Symphony【病系】【短編集】

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水side








朝からずっと調子悪そうだったるぅとくん。顔色真っ白で、ぼーっとしてるし、なんかキレ悪いし…バレバレだって

車から降りたらすぐにトイレに駆け込んで行って、心配だったから着いていこうとしたら「絶対に来ないで」と怒られちゃった



でも心配だし

だから今、僕はトイレの前に立って彼が出てくるのを待っている






「 ……、っびっくりした、 」

「 リハ室戻ろ。肩貸す 」


さっきよりは少しマシになった顔色。でもまだ辛そうで、猫背にお腹をさすりながら出てきたから無理させちゃダメだってすぐ分かった




「 …僕帰りませんからね、 」

「 誰も帰れなんて言ってないでしょ。でもその体調でダンスリハするのはキツイでしょ 」

「 もう、元気です… 」

「 嘘つけ 」


素直に僕に体重をかけてくるあたり、まだまだ治ってないよね




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リハ室に入ると、いつも早い者勝ちになるソファーに誰も座っていなくて、そこにるぅとくんを寝かせて。と言われているみたいだった


「 はい、到着 」

「 …ありがとうございます 」


「 はい、るぅちゃんコレ 」

「 俺からはコレ 」

「 俺はコレ 」


なんかニヤニヤしながら近づいてきた3人がるぅとくんに物を差し出す

莉犬くんは毛布を、さとみくんは薬と水を、ジェルくんは温かいお茶を机に置いた



「 え、じゃあ僕は…、 」

僕はバックからホッカイロを取り出して置く





「 みんな…ありがとうございます…、 」

「 とりあえずるぅとは少し休憩 」

「 ……はい、 」


るぅとくんは素直に薬を飲んで横になり、すぐに眠っていた






＿






「 やっぱ俺が1位かな 」

「 いや、俺だろ 」

「 え、？何の話？ 」


「 お題、今のるぅとを助けるもの。な？どれが1位やと思う？ 」

「 え、なにゲームしてたの？w 」

「 なんか暗くなりすぎるのも違うし、るぅちゃんに気遣わせたくなかったからさ 」


何してんのこの人たちwww

借り物競走してんじゃん





「 あとでるぅとくんに1位決めてもらお〜 」



なんて言って賑やかに始まったダンスリハ

1時間ぐらい経ったところでるぅとくんが起きてきた


顔色もだいぶ良くなって、本人も元気そうだったからそのままダンスリハを続けられた






ちなみに、借り物競走の1位はまさかの僕だった


圧倒的優勝候補だったさとみくんが「お前は選手登録してねーよ」とこんなゲームにも全力で悔しがっていてただ面白かった



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借り物競走−fin.


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