Symphony【病系】【短編集】

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桃side







まだ息は少し苦しいし体はずーんと重たいけど、ジェルはちょっと心配しすぎ

せっかくみんなで飲める楽しい場なんだからその雰囲気を俺のせいで壊したくない




「 確かにさとみくんちょっと顔色悪いかも 」

「 悪くねーよ、ここの照明のせい 」

「 は！ひっどw 」

「 頼むよさとちゃん… 」


ジェルのあまりに真剣なその言葉に、3人ももう俺を休ませるムーブに入っているのが分かる




「 全然ベッド貸すよ。ちょっと休んでから参加したら？ 」

「 ……、じゃあそうするわ。 」


メンバーの真っ直ぐな俺に向ける心配の目におされ俺は寝室に向かった





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ベッドに横になり天井を見上げる

はぁ…とため息をついて、この心のモヤモヤはメンバーに心配された事じゃなくて、自分のこの弱いトラウマのことがイヤになっているだけだ


息が苦しくなって、目の前が真っ暗になって、あの事故が起きた日の痛みとか、あぁこんなところで俺終わるんだって悟った瞬間の気持ちを思い出す




「 …ﾊｧｯﾊｧ、くそっ、ｹﾎｯ 」


また少し、苦しくなってきて、もう自分が嫌になる





「 …さとちゃん、？ 」


その時ドアが開いて、ジェルが入ってきた




「 …じぇる、 」

「 怒ってる？ 」

「 なにに、w 怒ってねーよ、心配かけてごめん 」

「 …おん、良かった 」


ジェルはベッドに腰を下ろして、横顔しか見えない



「 あーゆーこと結構あるん？ 」

「 まぁたまに 」

「 1人ん時とかも？ 」

「 ほとんど1人の時の方が多いかな 」

「 やったらさ、またあんなことなったら、俺に電話してや 」

「 …えぇ？wどうして？ 」

「 、怖くて寂しいやろ？…俺が笑わしてあげる 」


ニコって笑ったジェルとようやく目が合った





「 ふはっ、w そうするわw 突然、面白いこと言ってって電話してやる 」

「 おん。任せてw 」



1人で抱えていたものを誰かと共有できるだけでも、結構楽になるもんなんだな





「 じゃ、俺飲んでくるから！w さとちゃんはまだ寝とくんやで 」

「 は？w やだ！やだぁ！！ 」

「 だめ。あと1時間はダメ！ 」

「 なんなのその基準！w 」


ジェルはそう言って部屋を出ていった

その背中を見送りながら彼に聞こえないぐらいの声で呟く





「 ありがとな、ジェル 」



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ひかり−fin.


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