ほっとらて【短編集】

悪いヒト【赤】** ページ44

.









「 りぃぬー！！りぃぬく〜ん！！？ 」

『 え？え？w どうしたの！？A…？w 』

「 りいぬくーん！！ 」

『 あぁ…急に声でかいw
めちゃ酔ってるじゃん珍しい 』




え？

俺の彼女は、物凄くお酒強いイメージがあって、こんな酔い方しているのは初めて見る



突然俺の隣にくっついて座ったと思えば、ニコニコふわふわしながらずっと俺の名前を呼ぶ







「 りぃぬぅ？ 」

『 待ってね、待って…ふぅ、あぁ可愛すぎ 』



一旦深呼吸をして、理性を保つ


こんな状況で正気で入れるわけがないじゃないか！

こんなに無防備で可愛い彼女が今ここにいるんだよ？





「 りぃぬ、ワンは？ 」

『 ワンっ！ 』


小型犬みたいな返事をすると彼女は、ケラケラと笑って「よく出来ました〜賢い犬だね〜」と俺の頭を撫でた






.








『 ねぇ、A？ 』


そんな彼女の手を取って、しっかり目を合わせる

とろんとしていて眠そうな目が可愛い





『 チューしてよ 』

「 んーー、ちゅっ…！ 」


俺がそうオネダリしてみると、いつもは照れたりはぐらかして絶対にしてくれないのに

間髪入れずに彼女は自分の唇を俺の唇に合わせた






『 うわぁ…！まじか、…くぅ……、可愛すぎるなぁ、 』


心の声がダダ漏れだけどもう仕方ないよね

大好きな彼女が可愛すぎて抑えられないんだ





『 ねぇ、もう終わり？ 』

「 んーー？なにがー？ 」


絶対わかってるはずなのに、言わないところも好きだよ





『 俺もう無理だよ、我慢できない 』

「 出来るよぉ、頑張って 」

『 無理。…俺もお酒酔っちゃったなぁ……！ 』



そう言って、彼女に抱きついてみる

首筋にキスをして彼女の緊張を解す






「 嘘、莉犬くんはまだ酔ってないでしょ？ 」

『 ううん。もうべろべろ。俺もう飲めない 』


いつもより甘えた様子を出して言ってみる




大丈夫だよ、安心して


もう、キミを返す気はないからね






お酒の力を借りて、自分のものにしようとしてるなんて俺は悪い人なのかな








「 りいぬくん、私ね…まだ帰りたくないよ 」


なんてとろんと潤んだ瞳を輝かせて言うもんだから、もうそんなの………


ね？







「 んっ、はぁっ…りいぬっ、くん、…！ 」




俺の何とか保っていた理性の鎖が完全に解けた






誰が悪い？


そんなの決まってる



Aだよね





.


悪いヒト【赤】−fin.


.
あえての赤さんチョイスでˊᵕˋ

24/7【水】**→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す