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忍術学園を出発してすぐのこと。
私たちはわかれ道に差し掛かった。
一方は太陽に照らされ、花畑が広がる道。
もう一方は薄暗く、草が生い茂っている道。

私は花畑がある方に、足を向けた。
しかし彼等は私とは逆に、薄暗い方へと足を向けた。

「ピクニック心得その一は、気持ちのいいコースを歩く。」

「だから当然、こっち。」

彼らにとっての気持ちのいいコースとは、どうやら私とは真逆のようだ。

「不知火さん、楽しいですね〜。」

「そうだね。」

まあ彼らが楽しいならそれでいいか。

「っうわぁ!?」

「危ないっ!!」

私は転びそうになる下坂部君の腕を掴んだ。
どうやらこの道はぬかるんでいるようだ。慎重に通らないと今の下坂部君のように転けてしまそうだ。

「大丈夫?」

「は、はい。ちびっちゃうかと思いました〜。」

「ここ危ないから手繋ごっか。」

「い、いいんですか?」

「うん。早く行かないとみんなにおいてかれちゃうよ。」

「はい!」

私は下坂部君の手を繋ぎ、みんなの後を追った。

「あっ、平太だけずる〜い。僕も不知火さんと手繋ぎたい。」

「伏木蔵は本当に不知火さんのことが好きだよね。」

「えっ、みんなは不知火さんのこと好きじゃないの〜?僕はね、ずっと昔から大好きだったよ〜?」

「伏木蔵、何言ってるの?不知火さんがここに来てから、まだ一週間ちょっとしか経ってないよ〜?」

「伏木蔵ってばおかしい〜。」

冗談交じりに笑う二ノ坪君と初島君。
その様子をただじっと見つめる鶴町君。
彼は一体、何を考えているのだろうか。

「あっ、そういえば不知火さんって、僕たちのこと苗字で呼んでいましたよね?」

「うん。それがどうかしたの?」

「僕たちのこと名前で呼んでもらえませんか?」

「僕も伏木蔵って呼ばれたいです〜!」

「ぼ、僕も、平太って呼んで、ほしいですっ・・・!」

「ふふっ、いいよ。伏木蔵君、平太君、怪士丸君、孫次郎君。」

「不知火さんに名前で呼ばれちゃった〜。」

「すごいスリル〜。」

それから私たちは近くにあった洞窟の中で食堂のおばちゃんが作ってくれたおにぎりを食べ、更に先の方へと進んだ。

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設定タグ:忍たま乱太郎 , 天女 , シリアス   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ずみ | 作成日時:2019年11月2日 17時

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