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私は池田君も一緒に食べてもいいか不破君たちに尋ねた。もちろん不破君たちが断るわけもなく、池田君も私たちと一緒に食べることになった。
前の席に左から尾浜君・鉢屋君・不破君の順に座っており、私は鉢屋君の前の席に着き、池田君は不破君の前の席に着いた。
池田君は怖がっているのか、私の服の袖を掴んだまま、一向に顔を上げようとしない。
「池田三郎次。」
「はっ、はいっ!」
鉢屋君に名前を呼ばれた池田君は、先程よりも更に俯き、目を固く閉じていた。そして池田君の小さな身体は尋常ではないほど震えていた。
池田君の反応を見る限り、今すぐにでも彼らから離した方がいいのだろうが、それでは結局何も変わらない。池田君には悪いけど、ここは頑張ってもらおう。
「池田君。」
「な、何っ?」
「ちゃんと三人のこと見てあげて。今の三人は天女に操られている三人?ううん、違う。池田君が好きだった頃の三人だよ。もう三人は天女に操られたりなんてしてない。だからちゃんと彼らを見て。」
そう言うと、恐る恐る顔を上げる池田君。
ゆっくりお互いの視線が交わる。
そして少し沈黙が続いた後、鉢屋君が口を開いた。
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作者名:ずみ | 作成日時:2019年11月2日 17時