◎ ページ24
雪道の渋滞を避けようと早めに会社へと出掛けて2，3時間後。
昼休憩へと差し掛かる頃、
つい酷いことを言ってしまったと後悔した俺は、
携帯を手に、LINEの画面を開こうとした。
《03-XXXX-1234》
《不在着信:3件》
見覚えのない番号から電話がかかってきていた。
俺は、なにかのセールスの電話だろうと思い、無視していたが
血相を変えて俺の名前を呼ぶ課長をみて、只事ではないことを知る。
課長「綾瀬が、意識不明の重体らしい
早く病院に行ってやれ」
Aとは職場恋愛だったため、課長はAのことは知っていた。
俺は、頭が真っ白になるも、単語一つ一つかい摘んでやっと理解した。
・
仕事の納期なんて気にせずに、病院へ駆けつけたときには
治療の甲斐なく、生きることを手放したAがいた。
さっき、今朝は、式場のパンフレット持って不機嫌な顔してたくせに、
今はもうすでに真っ青な顔をして眠っている。
一つ変わったこととすれば、真っ白な肌にいくつか擦過傷や、切り傷がある。
警察「婚約者の方ですか
すいません、勝手に綾瀬さんの手荷物から拝見させてもらいました」
事故死なのだろう、警察がバツ悪そうな顔して話しかけてきた。
警察「事故の詳細をご説明したいのですが、
お時間よろしいですか」
俺はこの言葉になんて返したのかはわすれたけれども、
午前10時26分。
雪でスリップした車が急加速して、何人か引き飛ばしたのだという。
2名の犠牲者のうちの１人が、Aで
手荷物は全部式場の予約の契約書や、ドレスの見本カタログ、
俺が渡した俺の欄だけが埋まった婚姻届が入っていたという。
そういえば、今日のお昼の時間帯に結婚式場のプランナーと相談があるとか言っていたような気がする。
そんな現実がまだ上手く理解ができずに、苦しんで今日まで生きてきたけれど、今日までどうやって生きてきたのかあんまり、覚えてない程度には喪失感がすごくて
どうやって今日まで歩いて生活してきたのか、
上手く分からなくて、どうしようもない。
・
ふと、湯がぬるくなったような気がして
給湯器のディスプレイに目をやる。
いつからか日付が狂うようになったディスプレイ。
几帳面なAを失ったことで正しい日付に戻すのも辞めた。
ディスプレイの日付は一週間前の事故前日の日付で、
何度この日へ戻りたいと思ったことか。
受け入れがたい状況に目を瞑って、追い焚きボタンを押下。
遠くの方で追い焚きの機械音がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 90人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
〇パ→セント(プロフ) - ともさん» とも様♡続編へと参りますのでぜひご覧ください😭二人を幸せにしてみせます♥！！！ (2022年2月16日 1時) (
レス) id: 7d09c06b1c (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - え、えー💦「だった」って過去形？😭 (2022年2月16日 0時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：卵かけご飯(現0パ→セント) | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/eggandrice1/
作成日時：2016年12月27日 23時
