貴方の名前で私を呼ばないで (ページ6)

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3 【※流血ありゴア表現がダメな人はここで読むのやめてください】ページ6

「ねえライオス、ペンローズって飢餓状態の時に狩りをするんだよね」
「え？ああ」
「で、鼻がいい。…美味しいご飯の匂いさせまくったら、そのうち飢餓感に耐えられなくなってこっち襲ってきそうじゃない？」

その考えはなかった！と目をぱちくりさせるライオス。ふふ、名案だろう。

「でも美味しいご飯って、どう用意するんだ？調理は難しいし、食材だってほとんど持ってないぞ」
「ほら、食材自体はなくてもスパイスだけでお腹が空くくらいいい匂いになってる時もあるじゃん？いい考えがあるんだ。センシ、立て続けに悪いんだけど、縄貸してくれない？チルチャックは探索用の小さいピッケルあったらそれ貸して」
「あるけど…なんか嫌な予感してきたぞ、お前何する気だ」
「まあまあ」

分かった、と二つ返事で道具の用意をしてくれるセンシ。なんか今日センシにもの借りてばっかだなと思いつつ、探索用の小さいピッケルを私の分とチルチャックの分両方を左足の脛を挟み込むように縄できつく縛り付け、その先をセンシに握らせた。

「ドワーフパワーでしっかり握っててね」
「？ああ」
「よし、じゃあ残り3人…じゃなかった、ライオスとマルシルはそれぞれ剣と魔法の用意してセンシの横に立ってて」
「まて、まてっ、お前が何をしでかそうとしてるか何となく分かったぞ！」

罠を探るときのチルチャックよろしく靴と靴下を脱いでぺたぺたと歩きだし、角度的に4人が視界に入るか入らないかギリギリの瀬戸際に立つ。チルチャックが何やら叫んでいるがもう遅い。それなりに付き合いがあるだけあって私のことをよく分かっている。

「〜〜〜〜〜〜〜！！！」
「ギャーーーーーーーーッ！！！！」

轡代わりに短剣を口に突っ込んできつく噛み締め、左足の太ももに手を押し当てて簡単な斬撃魔法を打ち出した。簡単、とはいえ私の痩せぎすの足1本切り落とすのに訳はなく、激痛と共に視界が斜めっていく。分かっちゃいたけど死ぬほど痛い。気絶しそう。でも私の絶叫よりマルシルの悲鳴の方がどデカかったよな今。さすがすぎる。

なんて思ってるうちにバランスを取れなくなった体が階段を転げ落ち、更なる激痛が全身を襲う。ひい、アドレナリン早く出てくれ。

「馬鹿者っ！！！！なんてことを！！！！」
「バカ！お前のことどういう人間か忘れてた！！本っ当にお前は脳みそ入ってないんじゃないのか！？？冒険者やめろ！ボケ！！」