出来損ないの私だから。【ハリポタ】賢者の石3 (ページ6)

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バレンタイン編⑯ ページ6

屋敷しもべが作っているのだから美味しいに決まっているでは無いか

それとわたしの味に何の関係があるのかよく分からない

気持ちで味が変わるなど理解し難い理論だ

実際に料理していてそんな事があっただろうか？いや無い

酸味を足したければレモンを入れ、塩味であれば塩を、辛味であればハバネロソースなどを加えればそう変わるじゃないか

それがたった気持ちで？？？笑わせるな

『順番は全て同じです。使っているものも。それでも美味しくはならない、ただそれだけですよ』

『私にはセンスが＿＿＿＿＿』

ﾀﾞﾝ｢いやいや、わしが話しとるのはそういうことでは無い｣

言い終えるよりも先に校長が言葉を放った

【そういうことでは無い】？？

頭にはクエスチョンマークが浮かぶばかり

『先程から何を仰りたいのかよく分かりません。もう少し簡潔に言っていただいても？』

ﾀﾞﾝ｢言ったはずじゃ、気持ち、とな｣

それでは明日からも励むように、と残して出ていってしまった

あ、ちょっと。そう引き留めようとしたが意味は無い

未だに後片付けをしている屋敷しもべたちに加わりながら考える

気持ち、と言ってもまあ様々なもので

喜び悲しみ怒りなどの言わば喜怒哀楽

さらに妬み嫉み等々…膨大な種類があるのは言わずもがなだ

考えても考えても答えは出ない

はぁ…とため息をついてしまったが仕方の無いことだろう

一通り掃除し終え近くにいた屋敷しもべに声をかける

『君たちは何を考えているんだ』

少しの沈黙。

屋｢何か気に障ることでもしてしまいましたか……？？｣

無意識のうちにぶっきらぼうになっていた質問の為か、

屋敷しもべが少し怯えたような表情をしている

『ああ嫌、そういうのではない。どんな感情で作っているのか聞きたいだけだ。気持ちが味に出るのだとかで。私にはよく分からなくてな……調味料で味は変わるものだろう？』

そういうと、

ああ！そういうことでしたか！！と安心したように言った

屋｢そうですねぇ……毎日作っていますので気持ちはバラバラですよ。上手く作れるように、火加減は大丈夫か、残り時間に間に合うか、など｣

｢ですが毎日変わらず思っていることは、｣

皆さんに美味しい料理を食べていただきたい

それだけですね。

気恥しそうに、だが誇りを持ったような表情

『……そうか』

今の私にはこれが限界だった