出来損ないの私だから。【ハリポタ】賢者の石3 (ページ5)

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バレンタイン編⑮ ページ5

それからは地獄のようだった

授業の合間にはキッチンへと向かい教えてもらう

屋敷しもべたちが驚いたのは言うまでもない

失敗作はいくつで来たか数えきれない程だ

『……っと、…ど、どう、だ？』

屋｢見た目はバッチリでございます｣

『ということは味だな』

まだ良い、とまでは全く言えないがマシにはなっただろう

食べ物には見える程に進歩はした

問題の味はと言うと

『ｯｯぉえ゛……』

屋｢〜〜〜〜〜〜！！｣

進歩0、だ

言われた通りにしているはずなのだがおかしい……

『あﾞーー！！！なんでだ！！！！！！まずい！！！！』

屋｢ふむ………工程はきちんとできているのですが…｣

『食べられる味にもならないな』

屋｢わたくしたちの力不足で申し訳ありません｣

『君たちは良くしてくれた。わたしが悪いんだ。見た目はまあ良くなったさ、すまないな』

情けないがこれは事実だ

教えてもらっていることすら上手く出来ずにいる

こればかりはどう見ても変わらない

はは、、と力のない笑いと共に謝罪を述べた

屋｢なにかまだ見落としているものがあるはずです。もう1度してみましょう｣

『もういい、充分だ』

『これだけして変わらないということは仕方がない。運命のようなものさ、受け入れるしかないんだよ』

そこへ校長がやってきた

校長はたまにこうして顔を出しに来る

わたしがきちんとしているかの監視、

もしくは応援だろう

なので特に気にもとめずに、こんにちは、とだけ言った

ﾀﾞﾝ｢今日も励んでおるみたいじゃのう。どれ、ちと味を｣

『あまりお勧めしませんよ』

これだけでも伝わるほどに校長は試作品たちの味見をしている

お腹を壊さないのが不思議でしかない

自分で作っておいてなんだがわたしは舌に触れるだけでも吐き出す

………食べれたものじゃない、とはこの事か

成功は見込めないなと思っていると校長がふむ、と口を開けた

ﾀﾞﾝ｢見た目は良い。香りも同じく。問題は味、と言ったところかね｣

『その通りです』

ﾀﾞﾝ｢……こんな話を知っておるか？食事の味は気持ちで変わる、と｣

『気持ち、ですか…？？』

調味料を入れずになにが変わると言うのであろうか

わたしにはさっぱりだ

こくりと頷き校長は続ける

ﾀﾞﾝ｢ホグワーツの料理が美味しい、それと同じ事じゃ｣

｢ではこれは、どうかね？｣