出来損ないの私だから。【ハリポタ】賢者の石3 (ページ1)

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バレンタイン編⑪ ページ1

ポタポタと机に水が落ちる

その音だけが教室に鳴っていた

ｽﾈ「……………離したまえ」

『離すもんか…1発殴ってやる……』ｸﾞｽ

そっと手を押されて服から手を離すように促される

抵抗して服をしっかりと、震えている手で、掴む

『ｯは、………1発、』

力を振り絞って、強く握った拳を振り上げる

そして思い切り振り下ろした

『……………』ﾎﾟｽ

何かに当たったがしっかりとした感覚は無い

目の前には黒

何が起こったのだろうか、分からない

「不可能なことはやめておけ」

頭上からの声は

嫌いで、憎くて、イライラする、

もう二度と関わりたくない(助けて欲しいと願っていた)声だった

『……………なんのつもり』

ｽﾈ｢貴様が吾輩を殴ろうなど数億年早いということだ｣

望んでいた返事は帰って来なかったが今はそれが心地よかった

何も考えず、かと言って気を使うわけでもなく。
いつも通りの反応をするのが安心した

それからはあっという間だった

何分、いや数秒だったのだろうか

それとも何時間だったのか分からないが私が泣き止むまでそのままだった

落ち着くと寮へ帰るように言い渡され、1本の小瓶を指さしてあいつは言った

ｽﾈ｢飲み干せ｣

それだけ言って私を追い出した

本意ではないが飲み干し寮へ帰った頃には顔の腫れは引いていた

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－

とまあこんな事があったのはそれほど懐かしい話では無い

そんな相手と仲を深めろと言ったマクゴナガル先生はどういうつもりなのかよく分からない

＿＿＿＿＿＿＿その事を知っていないのだから当たり前なのだけれど

『はぁ………』

思い出してしまい余計に面倒になる

父さんが何をしたのか、ホグワーツの対戦の時に1度見たがそれでも私への処遇は酷いものだと思う

ルーピン先生にはそれほど嫌悪感を出していないのに

ハリーと私はとんだとばっちりだ

敬愛していた父を恨んだのは仕方のないことだと思いたい

…………もし、スリザリンだったら

ふとそんなことを考えた

が、すぐに頭を振ってやめることにした

こんなのまるであいつに気に入れたいと思っているような…

好きだと言っているように思える

ありえない、絶対にありえない！！！！

『はぁ………』

バレンタイン、それは1年で最も憂鬱な日だ