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____国見side


"まあ、見つけろっていっても今まで、会場で姿1つ見たことないからな。難しいと思う"







岩泉さんの言葉を胸に観客席に戻る








そんなに見つからないのなら一体どこへ?





中学の時からずっと、及川さんは姿を探し続けてたはずなのに見つかったことがないのなら、俺が探しても
見つかるはずがないんじゃないか








もうすでに否定的な考えをしている時、金田一が肩を叩いてきた







「なあ国見、水無くなったから自販機ついてきてくれないか?」




「いいよ」







めんどくさいとは思ったもののもしかしたら見かけるかもしれないと思いついていく








「そんなに飲むのならもっと持ってこればいいのに」



「持っていけば持っていくほど飲んじゃうんだよ」







変な金田一の習性に半ば呆れつつ近くの自販機へと足を運べば売り切れの飲み物がいくつかあった








「水がない…」



「ウォータークーラーじゃダメなの?」



「だめだ。なんか変な味するし、本物の水がいい」






本物の水ってなんだ



こいつはいつも変なところにこだわりがある









「ちょっと遠いところにある自販機行ってもいいか?そこなら絶対あるから」








言われるがまま金田一についていけば、会場であるメインの競技場から離れたところに自販機の看板が立てられていた








「へえ、こんなところにも自販機あったんだ」



「ここ曲がったらすぐそこにある」









近くには他の利用者は見当たらなかった









もしかしてAさんここにいたりして。









軽い気持ちで曲がり角を曲がれば自販機の隣のソファには人影が









まさか、とは思いつつじっと見つめれば、あの時よりも大人びた、けれども確実に面影が残っている横顔









まぎれもない、あれは絶対にAさんだ








「…っ、金田一、俺が水買っておくから先に戻って」




「はあ?なんでだよ」




「いいから」




「…じゃ、頼んだ」









今回ばかりは金田一のお手柄だ









さて、どう話しかけようか








何か考え込んでいる様子の彼女を見つめていれば、視線に気づいたのか顔を上げてこちらを見た








交わる視線








その瞬間、何も考えていないのに口が勝手に開いた









「及川さんに活を入れてください」









初めて喋る相手なのに、我ながら馬鹿な言葉だと思った。

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設定タグ:ハイキュー , 及川徹 , 青葉城西   
作品ジャンル:恋愛
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飛鳥(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったしきゅんきゅんしました!更新頑張ってください!!応援してます! (2020年4月24日 1時) (レス) id: a4e38dcdda (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りあ x他1人 | 作成日時:2020年3月10日 21時

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