[腐滅の刃]継国兄弟の短編集。

続き（過激表現注意） ページ7

ひと通り接吻を済ませられ、顔をあげる緑壱。


その時、ほんの僅かに緩んだ手を私は見逃さなかった。


緑壱の顔を手で押し付け、言う。



「より、いち‥‥も、もうやめよ‥」



生理的にこみ上げてくる涙でも、兄としてはこれ以上、涙目の自分を見られたくなかった。


「‥‥」


しばらくしても、無言な緑壱に私は押し付けていた手をどけ少し心配になる。



「緑壱‥‥？」


すると、手をどかした瞬間、緑壱はドサっと私の方に倒れていき、すやすやと規則正しい寝息が聞こえた。



それを聞いて、安心したのと呆れたやらで私はホッとため息をついた。









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「兄上、酒を飲んだ後の記憶はないのですが、他の隊士の話によると、兄上が私を部屋まで運んでくれたそうで、心より感謝いたしま‥‥‥



‥‥‥兄上？」




「な、何だ緑壱」



「‥‥‥何故、頑なに緑壱の顔を見ないで言うのですか？
それに、少し寝不足のようですが‥‥？」



「な、何でもない！」



「(‥‥私は昨日の夜の記憶はないが兄上に何かご無礼なことをしてしまったのだろうか‥‥)」




「(緑壱め‥‥私は忘れたくとも忘れられぬというのに‥‥いや、緑壱だけでも忘れてくれたのがせめてもの救いか‥‥)」

[現パロ]兄上が一ヶ月仕事でいなくなるそうで！？→←酔った弟と困る兄。

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