第5話 ページ5
午後は、帰らないでずっと屋上にいた
正確には、テヒョンが来るのを待っている
校舎の外が騒がしくなってきた
そろそろ来るかな…
ーガチャ
TH『あれ?早退したって聞いたのに。』
○○「テヒョンのこと待ってたんだよ。」
TH『なにそれ嬉しいㅋㅋ』
○○「だって話せるのテヒョンぐらいだもん。」
TH『俺もだよ。○○と仲良くなれて良かった。』
それから毎日お昼を一緒に食べて、放課後はこうやってお喋りをした
邪魔する人はいない
私の中で、テヒョンの存在が大きくなっていく
【初めての友達】
そんなもの、とっくに超えている
だから、テヒョンには何でも話せる気がした
6月────
○○「ねぇテヒョン。私の話、聞いてくれる?」
TH『ん?なあに?』
○○「私が、ここにいる理由。」
TH『…うん。』
何か察したのか、テヒョンの声が低くなる
○○「私ね、家族がいないの。みんな、死んじゃったんだ。」
それは、2年生に進級する前の春休みの事
私には、お父さん、お母さん、弟がいた
両親も仲が良くて、幸せな家庭だった
弟は私の1つしたで、私の学校を受験した
見事に合格して、友達のジョングク君とも同じクラスだって喜んでた
田舎に住んでるおばあちゃん家に報告にも行った
その帰りに、事故で死んだ
雪でスリップした対向車と衝突した
即死だったらしい
たまたま熱で行けなかった私だけが生きている
元々私は友達を作るのが得意じゃない
新しい友達を作るほど心に余裕もなかった
だから、学校でも1人になった
○○「それで、保健室にいる私に先生が教えてくれたの。授業出る代わりにって。」
TH『そうなんだ…』
○○「この事話したの、テヒョンが初めてだよ。」
TH『話してくれて、ありがとう。』
○○「うん、ジミン君はきっと知らないよね。いつか、話そうかな。」
不意にテヒョンの右手が、私の左手を包む
TH『…俺も、○○に話したいよ…』
そう言うテヒョンの顔は、ひどく辛そうだった
私は、そっとテヒョンの右手を握り返す
○○「話せるときになったら、教えて欲しいな。それまで待ってるから。」
TH『ありがとう、○○…』
テヒョンも同じ様に、何か事情を抱えている
そんな私達が惹かれ合うのに、時間はいらなかった
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作者名:café au lait | 作成日時:2018年5月13日 16時