【ONE PIECE】海軍大将は海の女神も務めます陸【ロシナンテ】

242話 ページ8

目を伏せて小豆色の彼をニタリと見つめる。




浅く笑って、反対の手で彼の頬まで続く口をなぞってやった。


｢…っ！！｣

｢……私の想いは海のように深く、広い




私を本当に落とす気なら…




本気で来てよ。








それこそ、溺れる覚悟で｣





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no-side



相変わらず、リラル・D・A・Aという女性は美しかった。





幼い頃からその美の才はとどまることを知らず

周りの期待をはるかに超える成長を果たしてみせた。


その手をひと振りすれば魔法のように老若男女問わず人は彼女を崇拝し、数多の生物は頭を下げる。




後に現れる海賊女帝の美貌さえ、遥か上から微笑み見下ろすほどに、神々しい女神は誰が見ても完璧な存在であった。





密度の濃い、目を伏せば影を落とす程の睫毛

宝石と例えることすら恐れ多い、生物を魅了してやまない瞳

小さくふっくらした、まるで紅を引いたかのような桃色の唇

波打つ海のようになびく美しい髪

ミルクのようななめらかで白い肌




……そして、愛に満ちて初めて輝く、


幸せが湧きでるようにこぼれる微笑み。









……虜にならない男など、もはや居るわけもなかった。





そう、

たった今、彼女の目の前で瞬きすら出来ずにいる大男も





………深く、心に根をはられたのだ。




しかし、外から見守るものとして心から彼らに同情しよう。




根を払うことも出来ず

…その想いに花を咲かせることも出来ないのだから。




彼女に溢れるほど愛を注ぎ込み、彼らが魅了された微笑みを生み出した者が、





彼女が唯一崇拝する者がいるのだから。




名をドンキホーテ・ロシナンテ




女神と称えられる彼女を唯一ただの女の子として扱える男。







彼らの間を引き裂くものは、





それこそ









死しかありえない。

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