番外編5 花嫁修業 ページ44
in食堂
「こう?」
「そうだよAちゃん、もう唐揚げは完璧だねぇ!次は定番の卵焼きかな?」
「!ええ」
…
「なあ、白竜大将あんな所で何してるんだ?」
「うわさによると、恋人のロシナンテさんのために料理の練習してるらしいぜ」
「?!あの白竜大将が…料理?!」
Aは食堂の厨房の一角で、料理の指南をうけていた。
ある時期から、いつ嫁いでも大丈夫なように昔なじみの食堂のおばちゃん連に頼みこみはじめたことで
いわゆる花嫁修業というやつである。
今日の目的はお弁当を作ること
一昨日ロシナンテが出張ということを知ったAは、当日である今日持たせる弁当を自分で作りたいと思ったのだ。
「んま!さすがAちゃんは料理も上達はやいのねえ!完璧だよ」
「ありがとうおばちゃん」
できあがったお弁当を輝いた目で見つめるAは、あの海軍最高戦力のひとりとは最早別人だ
厳しく頼もしい姿しか見ていない兵士たちを悩殺するのに難はなかった。
そんなところへ、一人の青年が食堂を見回しながら入ってきた
「…あ
Aここに居たのか!」
彼女を見つけた瞬間笑顔になる彼に、Aはぼっと顔を赤らめる
「ロシー…!まだ起きる時間じゃないでしょう」
「起きたらお前がいないんだ、探しにも来るよ」
ふたりが海軍本部の一室で幼い頃からいっしょに暮らしている話は有名だが
実際にふたりが恋仲の会話をする様子はレアだった
視線が当然集まる。
「なにしてるんだ?」
「…」
照れ臭くなり目線を泳がせたAの横で、空気をよめるデキたおばちゃんはその場を後にした
その後厨房仲間に「若いっていいわあ」とこぼすのだ。
「…ん」
「ん?」
ぐっとロシナンテの前に綺麗に包まれた弁当が差し出された。
「お弁当?…!ま、まさか!」
「…
作った」
「!!!」
弁当とAの顔をとんでもない表情で交互に見つめ、
いきなり顔を勢いよく抑えだした。
「?!ロシー?!」
「ぐっ…、う゛れ゛じ い゛…っ!!」
泣いてるらしい。
「こ、こんなことでいちいち泣かないでちょうだい!これからも作ってあげるんだから」
「!A〜!」
ぎゅっと弁当ごとAを抱きしめたロシナンテは、心底嬉しそうに笑っていた。
「ありがとうよ、A
…でも朝お前がいないのは寂しいから、たまにで頼む」
「っ!…承知、したわ」
「「「(ロシナンテさん、うらやましすぎねえ?)」」」
弁当は宇宙一美味しかったそうだ。※ロシナンテ談
75人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひはる(プロフ) - みかんちゃんさん» 感想ありがとうございます!!ワクワクしてくださってありがとうございます嬉しいです!今後もなるだけ早くそして楽しんでいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします!! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - guririさん» レス遅くなってすみません!感想すごくすごく嬉しいです!!気まぐれやで掛け持ちも多い亀ですけど、そんな風に言っていただけて嬉しいですし凄いやる気出ました笑ありがとうございます! (2019年8月26日 11時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
みかんちゃん(プロフ) - 最初から一気読みしちゃいました!凄く面白くて、読んでいてワクワクしました!続編、お待ちしてます! (2019年8月19日 10時) (レス) id: 5684880501 (このIDを非表示/違反報告)
guriri - 面白いです!続編が待ち遠しいです。 (2019年7月31日 17時) (レス) id: 5d86136675 (このIDを非表示/違反報告)
ひはる(プロフ) - ユッケさん» ありがとうございます!この作品あまりコメント来ないので結構みなさんどう思ってるか不安だったんです。わたしの理想を夢主にになってもらってまして、それを褒めていただけると本当に励みになりますありがとうございます!続編前回よりは早く出せるよう頑張りますね! (2019年7月15日 0時) (レス) id: 0be45b8a6a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひはる x他1人 | 作成日時:2019年6月24日 23時