自惚れ(黒尾鉄朗生誕記念) ページ46
『私、好きな人出来た』
私が突然そんなことを言ったのは、朝練前の体育館で練習メニューの相談をしていた時だった。
「ちょっと誰よ。俺聞いてないんですけど」
『今初めて言ったもん』
誰かなんて言えるわけない。
相手は今私の目の前にいる黒尾本人なのだから。
「何？俺の知ってる人？同じクラス？」
『まあ、うん。そうだね』
お前だよと言ってやりたい気持ちで胸がいっぱいだった。けれど言ってしまったら私たちの友達という関係が崩れてしまいそうで言えなかった。
「え、もしかして……」
お、気付いたか？
私は『分かった？』と問いかけた。
「夜久？」
『んなわけあるか』
思わずありえないスピード感で突っ込んでしまった。
「じゃあバレー部じゃないから……」
そう言って黒尾はまた考え出した。
こいつは自分の存在を忘れているのか？
それとも消し去っているのか？
え？遠回しに脈ナシって言ってるの？
『黒尾にだけは絶対教えない』
私はそう言って持っていた部活ノートを開いた。
「せめて何部かだけ教えてよ〜」
そういった黒尾に私は大きなため息をついた。
そして小さく一言だけ。
『……バレー部…』
「え？なに？バスケ部？」
『…バレー部！バレー部の人！部内！！考えろ！』
私は一通り叫び、再びノートを眺める。
目の前の彼は手が止まり、こちらをじっと見つめているようだった。
「あの、Aサン？」
『なんですか、鉄朗さん』
「うちのクラスのバレー部ってもう……」
私は黙ってノートに書き込みを入れていた。
そんな私の手を制止するように黒尾は握った。
「自惚れても、いいですか…」
顔を逸らしながら言った黒尾は頬を赤く染めていた。
私はそんな黒尾の手を包むように両手で握った。
『自惚れてもいいですよ』
そう言って微笑むと、黒尾も釣られたように笑ってくれた。
『お誕生日おめでとう』
そう続けると黒尾はハッとしたように携帯を確認した。
「そっか。俺今日誕生日か……」
黒尾はそう言って両手で顔を覆い隠した。
私はそんな黒尾をじっと見つめていた。
「最っ高の誕生日プレゼントだわ…」
そう呟いた黒尾につい笑ってしまった。
『私と付き合ってくれますか？』
「もちろん。幸せにするから任せてよ」
そう言って頭を撫でてくれた黒尾の手は大きくて、優しかった。
ーー
Happy birthday 黒尾鉄朗クン⸜❤︎⸝
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…！！むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…！続編をお気に入り登録しておきます…！！！！！！ (2月18日 15時) (
レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー！リクエストありがとうございます！久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます！！現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください！ (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…？(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね？(は？何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…！(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：泡姫 | 作成日時：2021年9月1日 21時
