火花の理由(黒尾鉄朗) ページ21
「あらら〜?女子バレー部のAちゃんが俺の所になんの用〜??」
『あれれ〜?私が呼んだのは男子バレー部の鉄朗くんじゃなくて、男子バレー部の衛輔くんなんだけどな〜??』
私と黒尾は、男子バレー部と女子バレー部でめちゃくちゃ仲が悪い。
高校に入学した時はまだ仲良かったと思う。
黒尾とはとことん馬が合わず、顔を合わせればバチバチと火花を散らしている。
「あれぇ?俺に会いたかったんじゃないの〜?」
『そんなわけ〜!!』
ニコニコと火花を散らしているため、見慣れない人は少し引きながら歩いていく。
『ガチで昼休みの間にやっくんに渡すもんあってきたんだけど』
「だから分かんない?やっくんは今居ないの。アポ取ってから出直せ」
『アポ取った上で来てんだよ。トサカ頭には分かんないんですかね』
今度は睨み合う。
先程までの笑顔はもう無い。
「あ、A!すまんな〜、急に先生に呼ばれてさ…」
『あ〜!やっくん!!もう、やっくんが居ないからトサカと余計に会話しなきゃいけなくなったじゃん!』
「もう!ほんと!やっくんが居ないからこのチビと余計に会話しなきゃいけなくなったじゃん!」
私の真似をした黒尾を睨みつける。
黒尾は得意げにニヤニヤとしていた。
「お前らいい加減素直になったらどうなんだ…?」
「『十分素直だよ?』」
やっくんの言葉に2人同時に返す。
「この間黒尾、部活わざわざ早く切り上げてお前のこと待ってたんだぞ」
「やっくん!?」
やっくんの言葉に少し驚いたが、私はニヤリと笑った。
『へぇ?黒尾くん、私に会いたかったの〜?』
「Aも黒尾に会いたいからって俺のとこに来てる時あるからな」
『ちょっとやっくん!?』
なんだか気まずい空気になってしまった。
そりゃそうだ。先程までバチバチだった相手に自分の本心がバレてしまったのだから。
「あ、これサンキューな!」
やっくんはそれだけ言って教室に戻ってしまった。
『あの…黒尾サン?』
「なんですか?」
『やっくんが言ってたのは…ほんとですか?』
「ホントですね…」
ほんの少し胸が高鳴った気がした。
「Aサン?」
『はい…』
「さっきのは…マジ?」
『マジだね…』
黒尾の顔が見れない。
恥ずかしいというより、照れくさい。
今まで散々暴言吐いてきたのに、急にこんな距離感になるなんて。
「部活終わったら、正門で待ってて」
『……分かった…』
恋が叶うまであと一歩。
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時