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やっぱり(二口堅治) ページ43

二口堅治と付き合ってもう3年。

高校の同窓会で再会し、付き合うことになった。
最初は高校の時好きだった彼と付き合えて幸せだったし、遠距離でも毎日楽しかった。

最近は私も彼も忙しく、会うことも減り連絡も減った。

いわゆる"倦怠期"ってやつなのだろう。

友達には「情で付き合ってるだけなら別れなよ」と言われた。けれど私は彼が好きだった。

好きだったから他の人の告白も断ってきた。



堅治から電話が来たのはそんな時だった。


『珍しいね、堅治から電話なんて』

「ちょっと話あって」


彼の声から察するに、あまり明るい話ではないだろう。
私は覚悟して『どうしたの』と問いかけた。


「あのさ…俺ら別れようぜ」


何となく分かっていた。
そのうちこうなるんじゃないかなとは思ってた。

けれどそれはあまりにも急で、私の頭は理解するのに時間を要した。


「ほら、なんつーか、倦怠期?ってやつなんじゃねえかなって。最近お前のこと好きかよく分かんなくてさ」


彼が紡ぐ言葉がどんどんと私の心を押し潰していくような気がした。


『そっか、なんかそんな気はしてた』


あはは、と苦笑いしながら私はそう返した。

電話の先で彼は小さく何かを言った気がした。


「まあそういう事だから」

『うん、分かった。まあこの間告白されたばっかりだし、タイミング良かったかも』


こんなこと言ったってもう嫉妬なんかしないって分かっていても余計なことを言いたくなってしまった。

私から言おうか悩んでたんだよね、と付け足すと、電話越しに彼が何か小さく言った気がした。


『じゃあバイバイだね。連絡先は消した方がいい?』

「待てよ」


そう言った堅治の声は先程よりも低く、暗く感じた。


『なに?私漫画とか借りてたっけ、それともお金?』

「うるせぇ。んなもん今はどうでもいいんだよ」


彼は圧をかけるようにそう言った。
私は思わず黙ってしまった。


「告白されたってどういうことだよ。俺聞いてねぇし。なに?断ってねぇの?」

『ちょっと考えさせて欲しいって返した。堅治が私の事好きじゃないの分かってたし、私も悩んでたから』


もしかして、とほんの少しの期待を込めた。
「はぁ?」というドスの効いた堅治の声で、私は背筋の凍るような感覚を覚えた。


「別れんのやめだ。明日会いに行くから待ってろよ」

『……本当?』

「ああ。覚悟しとけよ」












「俺やっぱりAのこと好きみたいだわ」

『私はずっと好きだよ』

真実は(国見英)→←今日こそは(宮治)



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設定タグ:ハイキュー , 短編集 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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まる - 泡姫さん» お時間かかっても全然構いません…!!むしろリクエスト叶えていただけるだけですごく嬉しいです…!続編をお気に入り登録しておきます…!!!!!! (2月18日 15時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - まるさん» わー!リクエストありがとうございます!久しく書いていないため少しお時間頂いてしまうかもしれませんが、私なりに書かせていただきます!!現在こちらの作品は続編の方を更新する形になっておりますので、よろしければそちらをお気に入り登録してお待ちください! (2月18日 12時) (レス) id: 5951de0be4 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作者さんにリクエストが…。銀.島.結.で過去の辛かったことを銀が全部包み込む…みたいなお話を書けたりしますでしょうか…?(語彙力なくてすみません…) (2月18日 11時) (レス) id: 649d507a41 (このIDを非表示/違反報告)
オレンジさん - 好きで愛してるわ作者さんじゃなくてさ、作者様じゃね?(は?何言ってやがるオレンジさんや) (2022年7月10日 21時) (レス) @page48 id: 0e3c42be20 (このIDを非表示/違反報告)
泡姫(プロフ) - 愛菜さん» そういう素直で分かりやすいお言葉が1番嬉しかったりします……今後も緩く書いていきますので時々キュンとしに来てください…!(ちなみに現在次話執筆中です…) (2021年11月6日 11時) (レス) id: 8284d2d1b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:泡姫 | 作成日時:2021年9月1日 21時

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