十 ページ12
『いや...やめてよ...離してよ...』
ななもり「絶対離さない。」
『うっ...うぐっ...』
暖かい。
この人、優しい。
さとみ「君はまだ信頼性にかけるけど、なーくんが言うなら仕方ないね。」
ジェル「せやな。でも、なんで君はここに長く居られるん？電波あるんやで？」
そう。
鬼はある電波を嫌う。何かの波動なのか、未だに解明されていない。
しかし、それを嫌うことは確定で人が住む場所には大体その電波が張り巡らされている。
『私...人と鬼のハーフで...この電波が効かないんです。』
『なのに鬼としての本能はちゃんとあって...でも人の姿にもなれる。』
『半端者です。』
るぅと「そんなことありませんよ。」
『え？』
るぅと「ある意味最強じゃないですか。」
莉犬「確かに！かっこいいよね！」
(かっこいい？)
初めて言われた。
「きもい。」
「中途半端。」
「近寄らないで。」
「死んで。」
向けられた言葉の刃は大体鋭いものばかり。
だから、こんな普通の言葉が私の心を癒してくれるんだ。
嬉しいことばかり言ってくれる彼ら。
『でも、私は人を食べてしまう...皆さんだって...』
ななもり「その時は俺が止めるよ。命に変えても。」
なんとも大きな言葉であろう。
責任の重さはえげつないよ。
人の死に関係するって...辛いよ。
『どうして...』
ななもり「言ったでしょ。君が優しいからだよ。」
ななもり「優しい人ってね、人に優しくできるのに自分に優しくすることが出来ないの。」
ななもり「君は優しい人。笑ってて欲しい。それだけだよ。」
私も知ってるよ。
本当に優しい人。そう、貴方達みたいな人。
本当を見ようとして、でも無理強いはしない。
ゆっくりと待ってくれている。
こんな私にも優しく手を差し伸べてくれる。
まるで私の両親のように暖かい手だった。
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無月 - こちらの作品は十二で終わってしまったんですか？すごく面白かったので続きが気になるところで終わりになってしまっていて悲しいです。もし続きがあるのでしたら楽しみです。応援しています。 (2023年2月12日 15時) (
レス) @page14 id: 2d43423786 (このIDを非表示/違反報告)
葉夢 - すごく面白いです！続きがとても楽しみです！作者さん、ご活動応援してます！頑張ってください！ (2021年3月4日 21時) (レス) id: a26d65cb38 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひかり | 作成日時：2021年2月20日 17時
