薔薇のような君に捧げる (ページ7)

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六話ページ7

ガチャ…

莉犬「あ、お帰りー。」

ビクッ…

帰ってきたのはあいつら。

一度噛まれたこともあり警戒心が強くなった。

同時に恐怖も増した。

るぅと「完全に怖がられてますね。」

ななもり「大丈夫。」

な…ななもり…だったかな？

ななもりは私の横に座った。

この人も若干馴染めない空気をまとっている。

ななもり「さっきはごめんなさい。ころちゃんとジェルくんも意味があってしたこと。」

ななもり「決して私欲の事じゃないことをわかって欲しい。」

え、ころんくんは明らかに無理やりでしたよね？

強制突破的な感じでしたよ？

まぁ、抵抗した私にも問題はあるだろうけど…

『元の…元の世界に帰ることは出来ないの？』

さとみ「それは出来ない。」

『ど、どうして！？』

さとみ「君が本当に血の後継者なら1度入ったなら死ぬまでここだよ。」

『そんな…』

もうみんなに…あっちの世界に戻れないと知って涙が溢れた。

莉犬「うぇぇ！？ちょ、さとみ！何してんだよ！」

さとみ「え、ごめんじゃん！」

ﾎﾟﾝﾎﾟﾝｯ

私の方を誰かが優しく叩いた。

隣に座っているななもりだった。

ななもり「会ったばかりの俺が言うのもなんだけど…ここで生きて後悔しない日々を送らせる。」

ななもり「姫様に6人の忠実な吸血鬼が着いてるよ。」

その笑顔は優しく、その声は全ての悲しみに優しく同情してくれるようだった。

『私…姫なんて…』

ななもり「大丈夫。俺たちが支える。ね、みんな。」

ジェル「姫のためならどこへでも行くで。」

るぅと「野薔薇でも見に行きましょうか？」

口々に楽しそうな話をする。

ななもり「幸せにするよ。」

あったばかりで、怖いものばかり。

なんの確信はなかったけど。

悟ったんだ。この世界から出ることは不可能だと。

彼らに頼る以外ないんだって。

彼らの何も知らないけど…少しだけ…ほんの少しだけ。

信じてみてもいい気がした。