〖TOP4〗Dearest.〖短編集〗

Merry Christmas.[uszw] ページ1

「A、クリスマス空いてる？｣

「へっ？」

「ははっ、何その顔」




可愛いからいいけど、と私の頭を撫でるのは私が長年片想いをしている幼馴染の牛沢くん。
昔はよく遊んでいたけれど、大人になるにつれて話すことも会うことも少なくなっていった。




それでも私はずっと牛沢くんが大好きで、そんな彼に今、クリスマスを一緒に過ごそうと誘われている。




「う、牛沢くんクリスマス予定ないの？｣

「空けてたからな。Aがいいならどうかなって｣

「私も！空けてた！」

「はは、食い気味じゃん。プレゼントは？何欲しい？」

「…なんでもいいの？｣

「うん」



チャンスだと思った。
私からしたらクリスマスを一緒に過ごせることだけでも奇跡のようなもの。
牛沢くんからのプレゼントなんだから、なんだって嬉しいに決まってる。
でも私がなにより欲しいものは…




「わ、私…牛沢くん、が欲しい」

「え？｣






少しの間、無言になった。
牛沢くんの表情を見てハッとした。





「…ごめん、忘れて｣





よくよく考えたらクリスマス誘われたぐらいで、何をいい気になってるんだろう。
恥ずかしくなって、その場から逃げ出そうとすると後ろから待って、と手をつかまれた。




「なんで逃げんの｣

「え？｣

「男がクリスマス誘う理由ぐらいわかるでしょ｣

「で、でも…」

「‍はぁ…鈍感すぎ｣


頬を赤くする牛沢くん。
こんな表情をする彼を初めて見た。
彼の手から伝わる温度が私の全身に広がっていく。




「俺の全部、Aにあげるって言ってんの｣

Merry Christmas.[ky]→

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