Acting.[rtrt] ページ28
「あ、キヨくん寝た｣
「じゃあもう皆レトルト家にお泊まりだ｣
頑張っていたキヨも結局はお酒には勝てないのか、口を大きく開けて眠りについた。
あまり飲まない組のレトルトと私だけがこの部屋に取り残される。
「Aも寝るならベッド貸すよ｣
「んー、もう少し一緒に居たいな｣
「…酔ってる？｣
「うん、結構｣
珍しく素直な私に一瞬驚いたけど、特に何か言うわけでもなくパソコンを開いた。
そんな彼にムッとして、ソファーに座る彼の太ももに頭をのせてみる。
我ながら大胆な行動に出たのにやっぱりレトルトは何も言わない。じっと顔を見つめてみても目は合わない。
「意識してくんないの？｣
「なに急に｣
さっさの寝なさいと冷たく突き放す割に私の頭を優しく撫でる。手から伝わる心地いい温もりは私の瞼を重たくしていく。
…
本当に眠ってしまいそうになっていると、私が寝たと思ったのか撫でる手が止まった。
なんとなくレトルトが私を見ているような気がして目が開けられない。
そっと、彼の指が私の下唇に触れる。
まさか？と思い自然と止まる息。
彼の息遣いが近くなって、さらさらの髪の毛が私の頬を掠める。
唇が触れるまであと数センチ＿
「勝つのは…ぉれだぁ…」
「ぅゎ…｣
のところで、キヨの寝言とレトルトの情けない声が聞こえた。目をあけると顔を真っ赤にしたレトルトと目が合った。
「お、起こした？｣
「…起きてた」
「…ごめん」
シュンと肩を落とす彼の髪を撫でる。
あと少しだったのに、と私はレトルトの顔を無理矢理こちらに向けた。
「レトルト」
柔らかな髪をよけて、頬を両手で包み込む。
大きく見開いた目は少し泳いだあと、ギュッと力強く閉じた。
「え、え、ちょ、A…｣
さっきまでキスしようとしてたくせに、何を慌ててるんだか。
意気地無し、と呟いて口じゃなく頬にキスをする。
唇を離すと彼は頭にはてなを浮かべていた。
「意識した？｣
「…こんのっ｣
「わわっ｣
レトルトは口角をピクピクと動かし、少しイラついた表情をした。
にやける私を勢いよく押し倒す。
「タチ悪い酔い方しないで｣
「やっぱりレトルトからキスしてほしいじゃん｣
「はぁ…Aはもうお酒飲んじゃだめ｣
「えー」
俺の前だけにして、と再び唇をなぞる。
ほんとは酔ってなんかいないんだけどね。
そう騙してる背徳感でさえ忘れてしまうほどの激しいキスが私を襲った。
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シノノメ。(プロフ) - ななちきさん» 読んでくださった皆様に感謝です(т т)だいぶ痛みも少なくなってきました！複雑骨折ではないのであと数週間で治ってくると思います(˶ᐢᗜᐢ˶)心配してくれてありがとうございます、とても励みになります⸝⸝> <⸝⸝ (2022年12月18日 0時) (
レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
ななちき(プロフ) - 評価１００個おめでとうございます！！怪我の具合はどんな感じでしょうか…早く完治することを願ってます！頑張ってください！♡ (2022年12月17日 20時) (レス) id: f88a542426 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - はなさん» ありがとうございます頑張って治します( ߹ ߹ ) (2022年11月21日 19時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - ななちきさん» 初めまして！見つけて下さりありがとうございます！どんな話も神作と言われるように頑張っていきますのでよろしくお願いします！ (2022年11月21日 19時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
シノノメ。(プロフ) - ゆたんぽさん» 優しいコメントありがとうございます…初めての骨折だったのでこんなに痛いのかとビックリしました…更新された時はまたよろしくお願いします！ (2022年11月21日 19時) (レス) id: d09763f888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シノノメ。 | 作成日時：2022年9月1日 4時
