__鶴姫__2【ツルネ】

58射＊鶴姫と貴公子 ページ12

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双子の名前を呼んだ彼。


背はすらりと高く、手足も長い。


日本人離れした彫りの深い顔立ちだった。








貴「…！(この人…確か)」








藤原…愁








愁「そこでやめといた方がいい。

本村先輩、2人は彼らが俺の知り合いなのに気づいて挨拶してくれたようです」






挨拶、ねぇ……

どっからどうみてもバカにしてくるための挨拶だよ。







本村「知り合い？」



愁「中等部時代の同期ですよ。先輩もご記憶ありませんか？」


本村「中等部…」








彼は湊と静弥に近づいた。








愁「久しぶりだね、静弥、湊」





湊「…愁」




静「久しぶり、愁」






静弥はまるで、湊を隠すように前に出る。






愁「相変わらず、静弥は湊の騎士を務めているのかい？湊だけじゃなく、君まで別の高校を選んだときは驚いたよ」



静「相変わらずは愁の方だろ？この間も20射皆中を決めたって聞いたよ。貴公子の名は健在だね？」





互いに嫌味を言う。
それでも尚笑顔で会話を成立させる。






愁「そんな俗称に興味無いな。湊は今日の個人戦には出るのかい？」






愁の問いに湊が首を横に振り答える





湊「明日の団体戦だけだ」



愁「…じゃあ戦えるのは明日か…残念だが楽しみだ……





…！！」







藤原 愁は突然、私を見つけた途端に目を見開いた。
すぐフッと笑い、距離を詰めてくる。






貴「…えっ」









愁「君が鶴姫…滝川 Aさんなんだね。


君に会いたかったよ」







貴「！？」



湊「なっ…」







愁「今日、君に会えるんじゃないかと思っていた。

個人戦に出るのかい？」





貴「…うん」




愁「そうか。楽しみだ。また君の美しい射が見られる」






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