Vox sonitus【イナアレ・野坂悠馬】 (ページ19)

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17☆大事なものページ19

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_____王帝月ノ宮スタジアム

「「「ありがとうございました！！」」」

練習が終わり、選手は着替えに更衣室に向かう。

Aは後片付けをするが、なんだか元気がなかった。

それに気づいた野坂はAの側による。

野「Aちゃん。元気ないみたいだけど、どうしたの？」

貴「……」

目線を下に向けて、Aは涙目になる。

貴《大事なもの、なくした》

野「大事なもの？」

貴《私が雷門にいた頃に持っていたイレブンライセンス》

野「雷門にいた頃の…一緒に探そうか？」

貴「……(フルフル」

首を左右に振るAは自分で探すと言った。

野「でも、もう君には必要ないんじゃないかな」

貴「？」

野「君はもう雷門のマネージャーじゃない。王帝月ノ宮のマネージャーだ。

持っていても意味はないし、もう雷門とは関係ないんじゃないかな？」

貴「っ！！」

野坂の冷たい言葉に、Aは更に泣きそうになった。

とうとうポロポロと涙を流したAに、野坂は手を伸ばしAの涙を指で優しく拭った。

貴「っ…」

野「ごめん。言いすぎたね。…そんなに大事なものなら、やっぱり僕も一緒に探すよ。

でももう遅いから、部屋に戻ったらもう一度部屋の中を探してごらん？」

貴「…(コクッ」

_____そんな悲しい顔をさせるつもりはなかった

野坂は目線を下に向けているAの頭を優しく撫でた。

野「(あれじゃあまるで…雷門に嫉妬しているみたいだ)」

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