桜よ歌え、舞え、美しく(葵螺旋城編)【ぬら孫・リクオ】第8章

292夜＊死者を弔え ページ32

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sideなし







吉平は宮殿の外に出た。









吉平「全ては今日のためだった……

その日にこうして結界が破られ、天海が死んだのは必然なのか。

この城も…彼らも、全ては父のため…




だが父は天海のことも、水蛭子も誰のことも知らんだろう」







吉平の眼に映るのは、玉座に座る安倍晴明だった。









吉平「雲よ…雨をふらせよ」









吉平は右腕を前に出して術を唱えた。








吉平「死者を弔え……」









曇り空もないはずの空から、シトシトと雨が降り注いだ。







吉平「天海…私は知っているよ。お前はたゆまぬ努力で当主となった。老人となってからの不老はつらかったろう…


水蛭子…お前はあの幕末の動乱期に妖たちをよく鎮圧してくれた…大政奉還の折、残念ながら短い間で当主の座を下りたが、頼もしかったよ…」







吉平はリクオたちに倒された御門院の者達の名を言い、右手の拳を握り胸に当てた。








吉平「長親…有弘…泰忠…お前達のために私は_____この城の役目を果たそう。

百鬼夜行と名乗る下等な群れを追い祓おう！



天海…お前のこの城でな…」






そう言うと吉平は階段の下へ下りて離宮に入った。





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