やめてったら / フロイド (ページ4)

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フロイドがいないときはゆっくりできる

クラスで他に喋れるような人がいないので

本を読んでいることが多い

周りからチラチラ視線が刺さるので集中はできない

ここは男子校、私は女子

色々と可笑しいけど、一年前からいるんだから

そろそろ慣れてくれたっていいのに

｢ダンゴちゃーんっ、なに読んでんの～っ？｣

賑わうクラスに一際響いたフロイドの声

クラスが1度静まる

｢ … 先生と話してたんじゃ、｣

｢ダンゴちゃんに早く会いたくて～逃げてきたっ｣

｢ … そ、う｣

なんでそんなコト、さらっと言えちゃうの

未だに上手く反応できないし、

｢オレいなくてー、寂しかった～？｣

恥ずかしいし、

｢ … 寂しかった、よ … ｣

｢ … え｣

上手く返そうと頑張っても変な雰囲気になるし、

｢ … ダンゴちゃん、｣

｢ … はい｣

｢ … それは可愛すぎ～、反則ー｣

｢ … っ｣

やっぱり向こうが1枚上手だし

奇想天外で何を言い出すのか分からないから

目を見るだけでヒヤヒヤする

･

･

｢すきぃ、｣

窓の外を見るAへ向けられるその目は

獲物を捉えたような恐ろしい顔のフロイドだった