2話 ページ3
時刻は進み、お昼休憩。
今までずっとにらめっこをしていたパソコンをパタッと閉じ、今では珍しい屋上へ向かう。
今日は晴れだから。
キィ…と年季を感じさせる音とともに開く扉。
入ったばかりの時は重くて先輩に手伝ってもらったなあ。
入社して2ヶ月。もう慣れてきた頃。
スーッと入り込むそよ風は、いつも本当に気持ちがいい。
「はぁ…っ」
深呼吸をしてめいっぱい吸い込むと、心が入れ替えられる気がする。
空いていたベンチに座る。朝は忙しくて、買ってきたコンビニのおにぎりを一口。
「ん…おいしい」
普段は買わない味を買ってみた。意外と美味しい。
そんなことを思いながら目の前に広がる景色を眺めている時だった。
「なあ、隣いい？」
突然かけられたその声に、びくりと肩が揺れる。するとそんな私を横目に、隣へと腰掛けるその人。
ちょ…まだいいなんて一言も言ってませんけど…。
「ええやんええやん、先輩と一緒に食べてくれへんの〜？」
私の心を読み取るようにそう言う彼は、私の先輩。入社当初からお世話になっている瀬良千斗さん。後輩達からは瀬良先輩と呼ばれている。
身長も高くてイケメンに分類される彼だから、社内では女性社員の注目の的だ。
「はあ…いいですけど、あんまり他の社員の方の前で話しかけないでください。」
だから当然、一緒にいる私は浮いてしまうのであった。
「え〜、うん、まあな、もっと喋りたいねんけどしゃーないなあ」
瀬良先輩も鈍感な訳じゃないからそれには気づいていて、後輩の私に危害が及ばないように色々気を使っているらしい。
そんな私たちにとって、この屋上は人気が少なく、唯一気楽に話せる最高の場所だった。
＿＿＿＿＿
瀬良 千斗 ｾﾗ ｾﾝﾄ
Aの会社の先輩。
かなりお世話になっている。
歌い手のセンラ。
変なとこで切ってしまいすみません。
そしてちなみにネタバレですが、センラさんオチではないです笑
センラーの皆さんすみません！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なえ | 作成日時：2017年9月14日 17時
