君に贈る歌（緑） (ページ38)

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38 side大倉ページ38

Aちゃん……。

俺のこと、思い出してくれたんやね。

愛しの、Aちゃん……

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俺と丸は、生まれた時から一緒やった

家が向かいで、お母さん同士仲が良くて、家族ぐるみでよくどこかへ出かけた

中学生になったある日、同じクラスに東京から来た言う子がおった

せやけど、喋ることもなくて、そのまま1ヶ月が経った

ある日、いつも通り学校に行こうと玄関のドアを開けたら、同じタイミングで向かいの丸と、

その隣の家のAちゃんが、出て来た

3人とも一瞬時間が止まったみたいに固まって、しばらくしてから、

あははっ！

ってAちゃんが笑い出して、つられて俺と丸も笑った

それから、俺ら3人はめっちゃ仲良くなってん

最初はあんまり喋らんかったAちゃんも丸の延々と続くギャグにツッコミを入れるようになって、

俺はよく、寝すぎ！食べすぎ！って怒られてん

毎日毎日、一緒に登下校をした

いっつも、俺が朝なかなか起きひんから、Aちゃんと丸が俺の部屋まで乗り込んで来て、叩き起こすねん

「忠義っ！！！起きてー！！！

ほら、隆平も手伝って！」

「大倉あああああ！！！パーーーン！！！！」

「真面目に起こしなさい！！！」

「んん…。zzz」

「忠義ー！！？もう1回布団に戻るなあ！！！」

朝からめっちゃ騒がしくて、

結局遅刻ギリギリになっていっつも3人で学校まで競争した

そんな日々が、ほんまに幸せやった