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27日目
大倉が、体調を崩した
いっつも元気で、呑気で、ニコニコな大倉が、
高熱を出して苦しそうに呼吸していた
「ごめんね、大倉。
なるべく早く帰ってくるから」
会社は休めないから、辛そうな大倉を家に置いていかなければいけない
そっと頰を撫でる
すごく熱かった……
「はあっ…、Aちゃん……、
気いつけてな……」
「…うん。行ってきます……」
「…ん」
後ろ髪を引かれる思いで、家を出た
帰りにスーパーに寄って大倉の好きなものをたくさん買おう
それで、たくさんたくさん甘やかそう
そう心に決めた
仕事も手につかなくて、何度も何度も時計を気にした
1分1分がものすごく長く感じる…
早く、早く大倉の元へ行きたいのに…!
全然集中できなかったけど、なんとか仕事を終わらせて、定時になった瞬間にパソコンの電源を落とした
「A、もう帰るん?」
「ごめん、隆平!急いでるの!!お疲れ!!」
久々に走った
どうして私、こんなに焦ってるんだろう
分からないけど、なんとなく、
大倉は、ただの熱じゃない気がして…
もうすぐ、私の前からいなくなってしまうような気がした……
私たちのタイムリミットが、迫っていたんだ
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作者名:machi | 作成日時:2017年9月22日 11時