#215【決意】 ページ25
ＮＯside
現在の拠点である｢アオギリの樹｣に一人の来訪者が現れた。泣き腫らした顔に虚ろな目だが、その奥には憎悪が孕んでいる。
「君は確か･･･コサメくんだったかな？」
なぜ自分の名を知っているのかは頭の隅に追いやり、エトを睨み付ける。
「なぜラクさまを助けなかった･･･」
「何の事？」
「
コテンと首を傾げ、恍けた姿がコサメの癪に障り右腕に羽赫を纏わせる。
「なぜ怒るの？ラクくんはあの時死ぬ覚悟をしていたのに」
あの時影乃は死ぬ覚悟を決めていた。なのにそれが腑に落ちないのはただコサメが納得しないだけであった。
コサメは影乃に恋をしていた。最初は憧れだったが次第に楽しそうな事に己の身を投じる影乃が危なく感じ、目で追うようになった。
女遊びをしていた時期は嫉妬で気が狂いそうになり、何度告白しようかとしたか。本当に告白しても影乃なら受け入れてくれる自信はあるが、それと同時に遊び心で付き合ってくれる影乃が嫌だったからだ。
いつの間にか居たタタラとノラの攻撃を躱しながらもエトに詰め寄る。
「ラクさまを返せ･･･！！！」
右腕に纏わせた羽赫を膨張させ、大きな弾丸を作り上げる。コサメ渾身の羽赫を出す前に視界の端に知っている人物が影から現れた。
「彼はここには居ないよ、〔ＣＣＧ〕が回収していった」
影乃が生前興味本位で近付いた嘉納明博だ。実際に会うのは初めてだが、影乃が楽しそうに実験の話をしていたのを覚えている。
アイツをカッコよく言うならマッドサイエンティスト
悪く言うならイカれた野郎だな
笑いながら喋る影乃もイカれている部類に入っているが言わぬが花だ。
「“巣”に行けば会えるのだな」
「生きているとは限らないよ？」
「ラクさまはお強い
･･････もし生きていなくともボクはラクさまをつれて帰る」
羽赫を消し、新たな目的地を目指す。コサメの虚ろな目は強く決意のある目をしていた。
「いいのかい？追わなくて」
「うん、戦力に入れたいけどラクくんが中心のあの子は無理だね」
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【言わぬが花】とは、はっきり言わない方が趣がある。あけすけに言っては実もふたもない。
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水無月(プロフ) - 乾さん» 今更になってしまいますがありがとうございます！一時期題名が落ち着かない時がありましたが最後まで読んでいただきありがとうございました！！ (2018年8月10日 23時) (
レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
乾 - 完結おめでとうございます！！この作品は、名前が何度か変わっていましたがそんな連載当時から好きでした。素敵な作品をありがとうございました (2018年7月2日 18時) (レス) id: de2fb18392 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 瑠伊さん» ありがとうございます！素敵と言ってもらえてとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 慶さん» ありがとうございます！面白いと感じてもらえてとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 宮野 ミヤさん» ありがとうございます！気に入ってもらえとても嬉しいです！！ (2018年4月24日 19時) (レス) id: 07c7ef19ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水無月 | 作成日時：2017年12月27日 18時
