【東京喰種】モノクロ狐 part５【男主】

#216【消失】 ページ26

ＮＯside



数日前に“喰種”が経営しているある喫茶店を襲撃した。“不殺の梟”だけではなく、“隻眼の梟”に“眼帯の喰種”、更に“野狐”まで現れた。


“不殺の梟”は“隻眼の梟”に飲み込まれ、“眼帯の喰種”で遅れた有馬貴将が追い掛けるが逃げ足が早い“隻眼の梟”は討伐出来ずに終わった。


これで終わりかと思いきや、赫者の“野狐”が現れた。叫び声は聞こえるが何を言っているのかは聞き取れず、稀に大声で叫ぶ声に多くの〔ＣＣＧ〕の鼓膜を破った。


ビルほど大きな赫者の“野狐”は同じ大きさのビルに当たっても構わずに進み、とうとう有馬の目の前まで突き進んだ。


「オオオオオォォォォォ･･････！！！！」



顔を顰(しか)める者、失神する者、耳を手で抑える者･･･が居る中、有馬はただ“野狐”を見つめていた。



“喰種”なら容赦なく駆除する有馬は例外に漏れず、ただ叫ぶ“野狐”の右目を斬りつけた。痛みに吼える“野狐”は右目をジュクジュクと治し、目の焦点を有馬に合わせる。

更に攻撃を与えようとするが甲赫で守り、ニヤニヤとお得意の笑みを浮かべた。



「ありがとなァ！俺を正気に戻してくれてよォ！！」


叫ぶ声だけだったが急に流暢(りゅうちょう)に話し始め、有馬や目に付く〔ＣＣＧ〕を襲い始めた。







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“野狐”の首はゴロゴロと転がり、首が柳下の脚にぶつかり止まる。柳下の顔は苦痛に歪み、“野狐”である影乃の顔は笑みを浮かべていた。



それでやっと終わったかと思いきやその思いは大きく裏切られる。風船に穴が空いたの如く、影乃の身体から大量の赫子を噴出させた。


それからは多くの戦力を削られた〔ＣＣＧ〕であったが、意思の無い赫子は風に吹かれた長い髪のように動いているだけで三等でもいけるかと思ったが多くの赫包を喰した影乃の赫子は甲赫が飛び出し、尾赫の威力が鱗赫並だったりしていた。


大量のクインケを破壊してしまったが、影乃の赫子を利用する事で消費したクインケを補充しようと目論んでいたがそれは影乃の最後の意志によってか不可能だった。



朝日と共に意思を失くした赫子はスタミナ切れをしたのか暴れていた赫子は霧のように消えていった。









赫子が消えた後に残ったのは首と両腕を失った胴体だけだった。後にクインケを作ろうと赫包を探ったが、影乃の身体を粉々にしても赫包は見つからなかった。

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