アイネクライネ×アズール ページ11
｢アズール先輩、頼まれていた書類、ここ置いときますね｣
｢ええ、ありがとうございます｣
監督生さんはモストロ・ラウンジでよく働いてくれる良き従業員でそれ以上でもそれ以下でもない。
いつか元の世界に帰る日が来て別れる存在。
｢お先に失礼します。先輩も早く帰って休んでくださいね？｣
｢ええ、そうします｣
そう言っておきながら寮に戻る頃にはすっかり日付が変わっていた。
シンと静まり返った部屋の中でふと自分がオーバーブロットした時のことを思い出す。
『他人から能力を奪わなくてもあなたは充分凄い』
『魔法より凄い力をもっている』
『努力の天才ですね』
そう笑いかけてくれた。あれだけのことをした僕に向かって。
消えない悲しみや綻びも全て監督生さんがいればそれでよかったと言えるのかもしれない。
｢いや……なにを考えているんだ……｣
これじゃあまるで好きみたいじゃないか。
そんなはずはない。そんな感情を持ってはいけない。
ただの雇用主と従業員の関係。先輩と後輩。それだけだ。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
｢暗い……ここは？｣
真っ暗な部屋に鏡が浮かんでいる。
｢……さよならみなさん。アズール先輩｣
ふと監督生さんが鏡の中へ引きずり込まれていく。
｢監督生さん！？｣
手を伸ばしても、決して届くことの出来ない距離。
完全に吸い込まれてしまい、監督生さんの存在はもういない。
｢どうして……どうしてっ……｣
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
｢はっ……｣
夢か……最近疲れているのか、こんな夢ばかり見る。
｢いけませんね……こんな調子じゃ……｣
気を引き締めて学校へと向かう。
｢アズール先輩、おはようございます｣
｢おはようございます。今日は飛行術の合同授業なんですね｣
｢はい、私は飛べないので筋トレですけどね｣
｢授業を始めるぞー｣
みっともないところは見せられませんね。
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名無し59617号(プロフ) - 星猫さん» アニメ少ししか知らなくてすみません。HQ、カゲプロ、鬼滅、あんスタなどです (2020年9月29日 7時) (
レス) id: 89b764f427 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年9月28日 23時) (レス) id: dba8a79b51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃいてぃー | 作成日時：2020年9月23日 21時
