一目惚れしたので振り向かせてみせます【守沢千秋】 (ページ1)

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「ねえ…A、また…今週中にはこの町から出るから、荷物の準備しておいてね。」

『うん。分かった。』

また引っ越しをするんだ。まあもう慣れたけど。

『この町みたいに良いところだといいね』

「あーと…そうなんだけど…

引っ越しするのはAだけで…一人暮らしをしてほしいのよ」

『え？』

「やっぱり、無理…？」

『無理ってわけじゃないって言ったら嘘になるけど……お金とか、学校とかはどうするの？』

一応家事は人並みにはできる、だけどお小遣いだけで生活しろっていうのはさすがに無理だ。

「お金は毎月送ろうかなと思っているんだけどね、その高校がちょっっっと特殊なのよ…」

特殊…？入学費がすごい高いとか？女子しかいない高校とか？ま、なんでもいいけど

「その高校は普通科とか、アイドル科とかいろいろあるんだけど、もともと普通科に入ることになっていたんだけど…」

『だけど…？』

「今年度に新しく新設されたプロデュース科に入る事になったの…」

『は？え、なんで』

「いや…あのね？普通科に進学する人(女子)の中で、アイドルに興味がなさそうな人を選んだみたいで…そしたら、Aが選ばれたの」

！？第一号を決めるのにそんな簡単に決めていいのか…

『そ、それって取り消す事は？』

「できないのよ…」

「そういうことだから、強制になっちゃうかもだけれど…明後日からお願いするわね」

『はあ……？』

私、早乙女Aは高校２年にして一人暮らしする事になりました。