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慣れ初め ページ47
俺は、2年くらい前から、隣町に住んでる女性に言い寄られてた。
彼女は高校からの友達でさ、性格は良いんだけど顔が好みじゃないから、
やんわりと付き合えないと断り続けてたんだ。
その頃仕事も上手くいかず、悪いことは重なるもので母ちゃんが事故で死んだんだ。
同情だけは絶対にされたくないから、母ちゃんが死んだことを誰にも言わず一人で落ち込んでた。
母ちゃんが死んだその日の夜、その女から電話が来た。
「お母さん亡くなったらしいね…。」
「…。」
「今まで言わなかったけど、私もお母さん死んだんだ…昨日だよ。家の階段から落ちたんだ。」
「…え?」
「…一緒だね。」
この時の俺は弱っていた。この一言で救われた様な気がした。
彼女なら俺の気持ちを分かってくれると思った。ただただ甘えたかったんだ。
抑えてた感情が一気に溢れ出し、大の大人がわんわん泣いちまった
そんな俺の醜態にも、彼女は一緒になってわんわん泣いてくれて、いつしか彼女のことが好きになってた。
これが俺と嫁のなれ初め。
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作者名:稲穂 | 作成日時:2021年4月8日 15時