◇ ″君の虜． (ページ10)

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“ ﾊｽﾞﾑ ” ページ10

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◆Тside

珍しく仕事が早く終わり、俺はガヤが働いているというBARへと向かった。

ミツが言ってた新入りの子、気になるし…

なんか珍しくミツが“面白い奴見つけた”って
機嫌良かったから… 。

BARの席に腰掛けると、早速俺の気になっていた新入りの子が接客してくれることになった。

へぇ… 、確かに可愛い

色白で細身だし…

なんか、男慣れしてないとこも含めて
良いっていうか…

最初の挨拶だけ見ても、男慣れしてないことが分かる。

そんな緊張されると、俺まで緊張するんだけど…笑

ちょっと…この緊張感何とかならないの？笑

お互い気を遣わないようにしたくて、名前はお互いに呼び捨てで呼ぶことにした。

それからどのくらい話した…？

Aとは、お互いが驚くほど気が合う。

久々にこんな喋ったかも、笑

本当に話すことが楽しくて、

Aのことをもっと知りたい、俺との共通点を見つけたい…

そう思うようになっていった。

．

でも、幸せな時間は

そう長く続くはずがなかった…

．

．

北『藤ヶ谷、昨日の新入りの子俺に付けて？』

藤『あぁ、ちょっと今は……』

北『え、何？』

ガヤとミツが話してることが気になるけど
2人は優先席の方にいるから、全く会話が聞こえて来ない。

俺がとたんに黙り込んだせいなのか、Aが心配そうに見つめてくる。

『…………裕太？』

「…あぁ、ごめん。何でもない。」

そう言って誤魔化したけど、手遅れだった…

Aは暫く不思議そうに俺の顔を見つめていたけど、ふとさっきまで俺が見ていた方へと視線を向けた。

ガヤとミツの姿を見たとたん、Aが急に
アタフタしだした。

「A……？」

俺もAの視線の先を見つめる。

と、視線に気付いたのか、
ガヤとミツがこっちを見つめていた… 。