◇ ″君の虜． (ページ5)

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“ ﾃﾞｱｲ ” ページ5

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◆Your side

翌日、昨日と同じようにBARの制服に着替え、
藤ヶ谷さんの元へ向かう。

藤『今日から接客してもらうから。
…じゃあまずは、あのお客様に付いてくれる？』

「分かりました」

そう答えると、指定されたお客様の隣に腰掛ける。

「新人のAといいます。
本日はお来し下さり、誠に有難うございます。」

『へぇ、新人さん？
Aちゃんっていくつ？』

「……あ、18…です。」

やっぱりまだ、男の人相手だと上手く話せない…… 。

『まだ未成年なんだ？』

「あ、まぁ……はい。
……すみません、カクテルお持ちしますね。」

一旦質問の嵐から逃れたくて、カウンターへとカクテルを取りに向かう。

「藤ヶ谷さん、カクテルお願いします」

藤『はーい。
Aちゃん、上手くいってる？』

今更、“男の人と話すことが苦手”だなんて言い出せないし……

そう思って何とか誤魔化す。

「まぁ…… 、なんとか……笑」

『なんかあったら、いつでも言ってね？』

「はい、有難うございます…」

カクテルを受け取り、再びお客様の元へ戻ろうとした時、

？『藤ヶ谷、いつもの席空いてる？』

また1人お客様が増えた。

藤ヶ谷さんの知り合いの方…なのかな？

その男の人は、颯爽とBARへ入って来た。

真っ黒の高級感溢れるスーツをビシッと着こなせるほどの色気と大人っぽさがあって…
本当、カッコイイ… 。

藤『いつもの席空けといたから、入って、』

？『流石藤ヶ谷！有難な、』

その男性は優先席へ座り、慣れた感じでカクテルを注文していた。

？『あ、俺玲奈に頼みたい、』

藤『でも今日は、予約してなかっただろ？
玲奈は暫く待たないと回って来ないから、代わりに他の子…っていっても、今は皆バタバタしてるから、新入りの子しかいないんだけど……』

？『はぁ…？新入りしかいないの？』

そう述べると、男性は軽く舌打ちして、
納得いってない表情だけど、藤ヶ谷さんの説得でなんとか男性は落ち着きを取り戻した。

．

え、でも待って……？

新入りの子しかいないってことは……

私が今から、あの人に付くってこと……？