検索窓
今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:155,076 hit

5.君の好きな人 ページ11

side K.I


「くっそ、だいちゃんめ……」


朝起きたら珈琲店に送り届けられてて、だいちゃんの連絡先が書かれた紙と腰痛の薬が手に握らされていた。


「なに、大ちゃんと喧嘩したの? 昨日、感動的な再会したばっかなのに?」

「もー、うっさい山田! あんなの感動的な再会じゃなかった!」


連絡先の紙をぐしゃぐしゃと丸めてゴミ箱に捨てると、山田は隣でため息をついた。


「腰痛って……そーゆうことされたの?」

「そーだよ、悪い?」

「拒まなかった伊野尾ちゃんが悪い。」

「…………もう、やまだ嫌い!」


図星、有り得ないくらい図星。
だって、どれだけだいちゃんがそーゆうの大好きな男の子だって、拒む人をむりやり巻き込む人じゃないもん。

お酒の飲みすぎで曖昧になってるけど、たぶん……おれ、拒まなかったんだろうな。


「いいねぇ、幼馴染みと会って恋に落ちちゃって。若いっていいよ、ほんと。」

「恋に落ちてないし、山田はおれより若いだろーが。」


おれの言葉を無視してコーヒーを淹れる山田の横顔は、とてつもなく真剣だ。
どうせ知念くんとなんかあったんだろー、なんて聞こうと思ったけどできなかった。



「すみませーんっ!」


からんころんと、涼しげな音が店内に響く。

・→←・



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (251 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
614人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鎖空 | 作成日時:2017年6月28日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。