5.君の好きな人 ページ11
side K.I
「くっそ、だいちゃんめ……」
朝起きたら珈琲店に送り届けられてて、だいちゃんの連絡先が書かれた紙と腰痛の薬が手に握らされていた。
「なに、大ちゃんと喧嘩したの? 昨日、感動的な再会したばっかなのに?」
「もー、うっさい山田! あんなの感動的な再会じゃなかった!」
連絡先の紙をぐしゃぐしゃと丸めてゴミ箱に捨てると、山田は隣でため息をついた。
「腰痛って……そーゆうことされたの?」
「そーだよ、悪い?」
「拒まなかった伊野尾ちゃんが悪い。」
「…………もう、やまだ嫌い!」
図星、有り得ないくらい図星。
だって、どれだけだいちゃんがそーゆうの大好きな男の子だって、拒む人をむりやり巻き込む人じゃないもん。
お酒の飲みすぎで曖昧になってるけど、たぶん……おれ、拒まなかったんだろうな。
「いいねぇ、幼馴染みと会って恋に落ちちゃって。若いっていいよ、ほんと。」
「恋に落ちてないし、山田はおれより若いだろーが。」
おれの言葉を無視してコーヒーを淹れる山田の横顔は、とてつもなく真剣だ。
どうせ知念くんとなんかあったんだろー、なんて聞こうと思ったけどできなかった。
「すみませーんっ!」
からんころんと、涼しげな音が店内に響く。
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作者名:鎖空 | 作成日時:2017年6月28日 21時