5.思うより人は見てる ページ7
•
ああそうか、男物のチャイナ服以外、ここにはあまりないからな。
そんな事を考えていたら、神威団長が私に手招きをしてきた。私は神威団長に近づく。
「A、女物のチャイナ服持ってないの?」
持ってないな。
「ほとんど、戦闘用で用意してるので、女物は持ってないです」
私の場合女物を着ると、そもそも似合わないという事態が発生する。
ふと、視線に気がついて振り向くと、華音さんがこちらを見ていた。私の頭からつま先まで見ると、私の隣に居た神威団長に目線を合わせた。
「だいたい、こんな男みたいな格好、私には出来ないよ! 男じゃないもん!」
華音さんがそう言った刹那、場は凍てついた。キツい言葉が胸を刺してくる。
確かに、男みたいだからね……私。
「……あ、私より身長低いので、私のを着れば、女物のようになるかと……」
「そうなの? じゃあ、それ着る」
華音さんと共に私の部屋へと行く。クローゼットの中に入っている服を漁り、戦闘用とは違うあまり着てないチャイナ服を出した。
「色地味〜、無いよりはいいか」
私の後ろで着替え始め、数分してから出来た、という声が聞こえる。
丁度スリットが膝上十センチ位の位置にきていて、女物のようだ。
「色黒しかないの?」
「ほとんど黒ですね」
「ふぅん」と言うと華音さんは、私の部屋から出ていった。嵐が去ったような気分になる。
夜中、眠れずに誰もいない廊下の窓枠に座って外を眺めていた。それこそ真っ黒なチャイナ服を着て。
「嬢ちゃん、落ち込んでるのか」
不意に聞こえてきた声に、振り向かずとも毎日聞いてる声に返答を返す。
「そんな事ないですよ。ごもっともな事でしたし。男っぽいのも間違いありませんよ。これじゃあ、華音さんみたいな女の子にはなれませんけどね」
自嘲気味の笑みを浮かべて、外を見続ける。
「気にしすぎだろ、嬢ちゃん美人なんだ、自分の顔に自信持て」
優しい阿伏兎さん、伊達に何年も一緒に居る訳ではないな、とつくづく思う。微かに落ち込んでるのは強ち間違ってはない。
「売れ残りは阿伏兎さんに買い取ってもらいます」
私は阿伏兎さんの方を向いて笑顔を向ける。
「おじさんをからかうな、冗談だとわかったらおじさん傷つくから」
阿伏兎さんの表情は窓ガラス越しでも困っていた。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
107人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朔弥(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとう御座います。小説を執筆している側からすると、楽しく読んで頂けてるのが何よりの救いです。更新頑張らさせて頂きます! (2017年1月17日 3時) (レス) id: 114889d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください! (2017年1月16日 18時) (レス) id: b0d29e3892 (このIDを非表示/違反報告)
朔弥(プロフ) - 真由さん» コメントありがとう御座います。オチはまだ決まっておりませんが、神威か高杉のどちらかなのは、確定しております。更新頑張りたいと思います。温かい目で見守って頂けたら光栄で御座います。 (2017年1月15日 11時) (レス) id: 114889d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
真由 - いきなりですみません。この小説は誰オチでしょうか?気になってしまって更新頑張って下さい。楽しみにしてます。 (2017年1月15日 10時) (レス) id: efeb5e493c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔弥 | 作成日時:2017年1月12日 1時