22.紙切れは努力の証拠 ページ24
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「申し訳無いですが、付き合えません」
「どうしてですか?」
「いや、どうしてですか……と言われても」
何度も話した事がある訳でもない。相手のことを知るわけでもないのに、つき合えるわけなどない。その上、私は……。
「どうして……? 俺じゃダメですか」
「__ッ! すみません、仕事があるので」
一瞬目付きが鋭くなった。兄のことを思い出してしまい、息が詰まりそうになる。
その場を離れて、歩いていく。頭がごちゃごちゃになった中で、歩き進めた。
「A、どうしたの?」
「神威団長……何でもないです」
「そっか……あとで、仕事の書類取りに行くよ」
「持って行くので大丈夫です」
早く離れたかったのが第一だ。神威団長に悟られてはいけない。
自室に戻って、胸に手を当てて動悸を治める。
仕事の書類も持って行かなきゃならない。早めに出来上がるように、仕事をしよう。
そう思って私は仕事を始める。
しばらくしたら落ち着いてきて、いつの間にか仕事の事だけを考えていた。
第零師団には、潜入するという話も出ている。顔の知られてない私が有力となっているみたいだが、反対意見も出ている。
もし、相手に私の顔が知られていたら、私が真っ先に殺されるか、人質としてとられる可能性があるからだろう。
実際知られてる可能性の方が大だ。これでも、色んな事件に関わってきてる。
だとしたら、なにが一番最善の策なのだろうか。
「持って行かなきゃ」
私は書類をまとめて、両手に抱えながら部屋を出る。落ちそうな気がしてならない。
「お、おぉ、危ない」
独り言を零しながら、神威団長の部屋へと向かう。しかし、この書類は私の誇りである。
なんといっても、寝ないでやっている努力の証拠だ。
「おい、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ。……ん?」
聞き覚えがある声だが、
というか、私自身目の前がほとんど見えていない。まして、後ろなんて振り向けないのだ。
「持ってやろうか」
「……あ、高杉さんですか? お疲れさまです、どうしました」
「いや、お前の上司に会いに来た」
神威団長か。ならば、案内しなければ。
この状態で案内できるだろうか。実際、客人を案内するのは、私の役目になっているのだ。
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朔弥(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとう御座います。小説を執筆している側からすると、楽しく読んで頂けてるのが何よりの救いです。更新頑張らさせて頂きます! (2017年1月17日 3時) (レス) id: 114889d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください! (2017年1月16日 18時) (レス) id: b0d29e3892 (このIDを非表示/違反報告)
朔弥(プロフ) - 真由さん» コメントありがとう御座います。オチはまだ決まっておりませんが、神威か高杉のどちらかなのは、確定しております。更新頑張りたいと思います。温かい目で見守って頂けたら光栄で御座います。 (2017年1月15日 11時) (レス) id: 114889d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
真由 - いきなりですみません。この小説は誰オチでしょうか?気になってしまって更新頑張って下さい。楽しみにしてます。 (2017年1月15日 10時) (レス) id: efeb5e493c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔弥 | 作成日時:2017年1月12日 1時