21.誰も傷つけたくない ページ23
•
本当は、神威団長とたくさん話したい。だけど、恋人がいる神威団長とは、話せない。華音さんに悪いからだ。
感情を隠すと、態度が悪いみたいになってしまう。
本当は隣で話していたいのに。
それでも
「神威〜!」
私は神威団長の特別にはなれない。
苦しい。
きっと、私が本当の気持ちを言えば、華音さんが傷ついてしまう。
私は神威団長に興味がないと思われているのに、本音を言えば嘘つきになってしまう。だから、言える訳がない。
いっそ、離れてしまった方が早いのだろう。
「嬢ちゃん、大丈夫か?」
「え?」
「いや、凄い眠そうに見えるぞ?」
確かに眠くて、うらうらする。このまま倒れそうな気がするけど……大丈夫だよね。
遠くに神威団長と華音さんの笑顔が見える。
幸せそうな二人だなぁ……。
「戻りますね」
「あ、あぁ……」
立ち上がった瞬間、目眩が襲ってきた。机に手ついて、椅子に座り込む。
「おいおい、嬢ちゃん医者に見て貰った方がいいんじゃねぇか?」
「大丈夫です」
目眩が和らいだので、阿伏兎さんに頭を下げて部屋へと戻った。
ベットへと転がり込むと、瞼が重くて寝てしまう。
◇
次の日、朝からミーティングがあるので、急いで起きてミーティング室に向かう。
団長補佐である私が、団長の代理として話を進めていく。
当の本人は、ミーティングすら嫌う。というよりは面倒くさいのだろう。
第零師団の事は、まだ部下達に漏らすなと上司に言われたら、漏らすわけにはいかない。
神威団長、高杉さん、阿伏兎さん、私しか知らないらしいが。
「では、これにてミーティングを終了します。解散」
ふわぁと欠伸をかきながら、ミーティング室から出る。
「補佐官」
「はい? 何ですか?」
振り向けば、私より年上の部下の人が居る。といっても、神威団長と同い年のはず。
補佐官、というのは神威団長が、団長と呼ばれてるのと同じようなもの。
「補佐官、好きな人は居ますか?」
「……えっ?」
唐突に聞いてきた質問に、私は固まってしまう。そもそも、仕事の話だと身構えていた所に、好きな人の話など有り得ない。
「俺、補佐官の事好きです。付き合って下さい」
突然のことに、しばらく口を開けなかった。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
107人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朔弥(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとう御座います。小説を執筆している側からすると、楽しく読んで頂けてるのが何よりの救いです。更新頑張らさせて頂きます! (2017年1月17日 3時) (レス) id: 114889d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 楽しく読ませてもらってます。更新頑張ってください! (2017年1月16日 18時) (レス) id: b0d29e3892 (このIDを非表示/違反報告)
朔弥(プロフ) - 真由さん» コメントありがとう御座います。オチはまだ決まっておりませんが、神威か高杉のどちらかなのは、確定しております。更新頑張りたいと思います。温かい目で見守って頂けたら光栄で御座います。 (2017年1月15日 11時) (レス) id: 114889d6f1 (このIDを非表示/違反報告)
真由 - いきなりですみません。この小説は誰オチでしょうか?気になってしまって更新頑張って下さい。楽しみにしてます。 (2017年1月15日 10時) (レス) id: efeb5e493c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔弥 | 作成日時:2017年1月12日 1時