冒険の傷痕:2 ページ4
ひたすらに道を辿って、魔物を倒しては道を辿ってを繰り返し、私もようやく武器の扱いが様になってきた気がする。
少しは強くなったかな、と青い痣とマメだらけの手や腕を眺める。
あのお告げの日からもうすぐで一年が経つ。
強いと言えるには、まだまだだ。
出会う為に、その未来の為に、まだ強くならなくてはならない。
無意識に作った拳を下ろし、強くなるために背中の斧に手にやった。
***
「ここが、デルカダール王国か…」
あの日からちょうど一年後。
私は予定通りデルカダール王国に、正確にはデルカダール城下町に辿り着いたのだった。
流石、大国と呼ばれるだけはある。
煌びやかな建物の装飾、行き交う人々の身なりは整えられ、先々の店で扱われる品々は上質なものが多い。
田舎に生まれ、田舎しか知らなかった私にとって、見渡さずには居られないほどその景色は圧巻だった。
広々とした城下町に好奇心を抑えきれず、もう少し回って見てみよう、と整備された道を歩こうとした時だ。
「ねぇ奥様、お聞きになりましたこと?あの話」
「《悪魔の子》でしょう?害悪をもたらす【勇者】の子、ですって」
「魔王と【勇者】は表裏一体、って王様は仰ったらしいわよ」
「あら…恐いわねぇ」
──勇者?
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千織(プロフ) - チロル/CHIROLさん» チロルさん、初めまして!有難いコメント、とても嬉しいです…!これからも精進していくので、見守って頂けたらと思います! (2018年11月3日 7時) (レス) id: 43a89afe6e (このIDを非表示/違反報告)
チロル/CHIROL - はじめまして!ドラクエファンなので、ドラクエの夢小説を書く人がいるのか!と驚き拝見させていただきました!掴みにくい世界感を表現されていて千織さんはすごいと思いました!これからもがんばってください! (2018年11月2日 22時) (レス) id: f7aec74604 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千織 | 作成日時:2018年10月29日 20時