【16】限界？ ページ16
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…限界、なのかもしれない。
彼の心は悲鳴をあげてる。
……抱えている、”過去”が重すぎて、大きくなりすぎて。
きっと、もう彼には抱えきれない。
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…そろそろ…。
解放してあげるべき、なのかな…。
貴方が求めている相手は…
直ぐそこに居るのに…。
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与えてあげたい…
貴方に…温もりを。
貴方への…愛情を。
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「……智？」
赤で汚れるのも気にせず、これ以上の出血を防ぐために彼の手首を、素手でぎゅっと握った。
「ッ……い、たいよぉ…かず」
「すみません。でもこのままにしておいたらもっと痛くなりますよ？」
「え……いやだぁ」
でしょう？と俺は彼に笑いかけ、そのまま彼をベットへ移動させる。
彼にしっかり了承をとり、カーテンは閉めたまま、窓を開けた。
だんだんと涼しくなる夜風が吹きこんできて、カーテンを揺らした。
そして、微かに射しこむ月明かりに彼の横顔が照らされる。
心なしか、やつれている様にも見えた。
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「会いたい……ですか？」
「……誰に」
「…………さくら―――」
俺が、彼の苗字を言いかけた途端。
彼はピクッと震え、そして、虚ろではない……光の灯った瞳で俺を見た。
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「会わない…。絶対に会わない!!!
いいんだよ、このままで!!」
「でも……貴方は」
「止めて!!!!言わないでよっ……!!」
このままでいいんだから!!と耳を塞いで叫ぶ貴方。
俺は、そんな貴方を見て、彼のことを問いかけたことを後悔した。
「……すみません」
「っ……」
耳を塞いでいた手から、俺が謝ったと同時に力が抜けた。
聞こえてるんじゃねえかよ、と心の中で突っ込む。
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大野さんの顔に、べったりと血がついている。
きっと耳を押さえたから、頬と手首が擦れたんだろう。
「…とりあえず手当てしましょう？俺の部屋にいろいろありますから、行きましょう」
「……ぅん」
眠そうな表情に変わりつつある貴方を、俺は目を細めて見る。
そして、血が固まりかけている貴方の手首を、今度はそっと包むように握って、
青い部屋を出た。
ラッキーアイテム
革ベルト
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和翔(プロフ) - はじめまして！和翔、と申します。私のプレリスに載せてもいいですか？ (2013年4月19日 23時) (携帯から) (
レス) id: bcd2c4470f (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - 桃恋さん» はじめまして！作者のけいです♪ありがとうございます！お返事遅れてしまい申し訳ありませんm(__)m (2012年9月22日 22時) (レス) id: 2b5b86f17b (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - 3104ckさん» あ、ありがとうございます///嬉しいです♪何作か他にも中途半端な作品があるので読んでみてください(笑) (2012年9月22日 22時) (レス) id: 2b5b86f17b (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - きゃりーぱんぱんさん» ありがとうございます♪お返事おくれてしまいすみません(汗)きゃりーぱんぱんさんまで泣いていただけたのですか！いやー、小説を書いてて良かった！って思えますね♪ありがとうございます！ (2012年9月22日 22時) (レス) id: 2b5b86f17b (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - 智歌さん» ありがとう！お返事おくれてごめんね(汗)うちが一番ハッピーエンドでホッとしてる(笑)出来たのでぜひ来てね♪ (2012年9月22日 22時) (レス) id: 2b5b86f17b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：けい | 作成日時：2012年9月3日 16時
