70.苦しい ページ22
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それからというもの、夫婦喧嘩が絶えなかった。
家には、常に怒鳴り声が響いているような劣悪な環境で、居ても立っても居られなかった。
そんな中、私は小学校を卒業し、中学校へと入学した。
家に帰るのが嫌で、学校にいる方が楽だと感じるようになってきた。
中学に入ってからは部活があって、家に帰る時間も遅くなった。それがどれだけ楽だったのか、今の私にはわからない。
ただ、一つ欠点があるとしたら、家に帰ると両親がいること。
最近は仕事が落ち着いてきたのか、帰宅が早い。一緒にいる時間も長いから、喧嘩の火種がたくさんなんだ。
この辺りの私は、無口で笑わない、不気味な人間に成っていた。
何に対しても無気力で、ずっとショートカットだった髪も、気付けば胸辺りまで伸びてたし。食事もおろそかになっていた。
何より、寝ることができなかった。
そんな生活か続いていたある日。
家に帰るのが億劫で、近くの公園のブランコに乗っていたときだった。
家帰りたくない…もう、このまま野宿しようかな…
なんて思っていた。
「お、可愛い子はっけーん」
「マジじゃん!お前サイコー」
「さっさとやっちまおうぜ」
『え』
悪そうな高校生か大学生くらいの三人組に絡まれた。
これ、結構まずいのでは…とにかく、早く逃げないと。
『ごめんなさい、私これから用があって___』
「用があるならこんなとこいないでしょ笑」
「大人しくしときゃ痛くしないよ〜?」
と、行く手を阻まれた。
私はイラッとして、その人達に向かっていった。
『嫌っつってんだから、やめろよクソ野郎共が!』
私の蹴りで、三人組は失神してしまった。
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作者名:ヒカル | 作成日時:2023年1月22日 15時