. ページ5
.
『少尉？どうしたんですか？』
お互い必要な洋服を見繕い、あとは帰るだけだというのに鯉登少尉は店の奥のあるドレスの前から動かなかった
「このドレスだけなぜ色がない」
少尉の視線の先にある真っ白いドレス
まるで真珠が溶けたかのような純白が、流れるように広がり小さな海を作り
近くに飾られたベールは白い薔薇で彩られ、シンプルなデザインのドレスによく映える
『…これはウェディングドレスです』
「う、えでぃんぐ？」
少尉が首を傾げる
『外国では祝言の際に白無垢ではなくこれを着るんですよ、婚礼の儀も教会でするんです』
「ほぉ…たまに教会に人集りができるのはそれか」
『はい！帰りは参列者に祝福されながらカーペットの上を夫婦で歩きます！
花弁を降らせてくれる時もあるんですよ〜素敵ですよね』
本当に素敵…
私が結婚する時はドレスを着たい
それに、母様にしつこく見合いを勧められるけど添い遂げる相手は自分で決めたいな…
まあ私みたいな跳ねっ返りもらってくれる人いないかぁ！アハ！
「詳しいな、留学経験でもあるのか？」
『え゛っ…いや、な、ないですよ！？たまたま…』
たまたまってなんだ？
いや、でも危ない！
あんまり語ると海外生活していたことがバレちゃうかも…
『いつか私も着たいです〜あはは！』
「貴様…本当は女装が好きなのか？」
誤魔化したつもりが悪化した…
少尉ドン引きしてるし！！
なんか腹立つ！
『も、もうそろそろお腹すきません！？ご飯食べに行きましょうよ！！』
「なぜ貴様と行かねばならん」
『いーから！！一緒に食事して団結力高めましょう！任務のために！ほら！』
イヤがる少尉を無理矢理店の外へ連れ出す
外はもう暗いけど、街頭の並ぶ東京の町はまだまだ明るいままだ
並んで歩くと、すれ違う女性たちがチラチラと少尉を見ているのに気がついた
『……』
「なんだ、ジロジロ見るな」
うーん…確かに面は良いのかも知れない
だが騙されてはいけない、この人は普通ではない
「そういえば貴様小さいな、月島とどっちが小さい？」
ほーらね、こういうこと言う！！
失礼だねー！！
『私は妖精なので小さくて当たり前です』
「は？」
フッ！ポカンとしてら！
このまま置いてってやる！
「おい待て！じゃあ月島も妖精なのか！？！？」
『………』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 221人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ゴールデンカムイ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
禀(プロフ) - 今読んだけど、超神作。更新頑張ってください！！ (2月19日 6時) (
レス) id: 71390a603d (このIDを非表示/違反報告)
れたす(プロフ) - まさかの更新停止;_; (2022年7月7日 15時) (レス) @page9 id: 2b6b2b0610 (このIDを非表示/違反報告)
迷彩ミント(プロフ) - 鯉登少尉めっちゃ可愛いです！更新頑張ってください！ (2021年12月23日 0時) (レス) @page9 id: db841188ef (このIDを非表示/違反報告)
推し尊い(プロフ) - 鯉登ちゃん可愛いぃっっ (2021年11月7日 16時) (レス) @page9 id: 83b850b061 (このIDを非表示/違反報告)
篠宮輝夜(プロフ) - とても面白いです!!鯉登さんの突っかかり方がツボに入ってしまって…更新頑張ってください! (2021年9月24日 20時) (レス) id: 2fc8f791c7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：芝 | 作成日時：2021年9月13日 3時
