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刺青人皮
月島は確かにそう言った
尾形から聞いた話にも出てきた
囚人達に刻まれた、埋められた金塊への道標
やっぱり本当なんだ、本当にあるんだ…
頭のどこかで、そんな話現実にあるはずないと思っていたのかもしれない
次々と起こる物騒な出来事は
目を覚ませと、無理矢理に現実を見せつけてくる
「…鶴見中尉がお呼びですので、行きましょうか」
黙り込む私の腕を引き、月島は執務室に入る
「待っていたよぉ〜…北里准尉」
ギョロリとこちらを見る目には未だに慣れない
座りたまえ
そう促されるまま、向かい側に腰かければ
「お団子、好きかね？」
差し出される2本の串団子
さっき見た光景を思い出し、ハッとする
杉元の頬に刺さる2本の串
それとまったく同じ色形のものが、目の前にあるのだから
たらり、冷や汗が垂れる
にこやかな鶴見中尉とは反対に、顔が強ばる私
「どうした？食べないのかね？」
『いえ！いただきます…』
「美味しいかい？」
『は、はひ…美味ひいです』
「ふふふ、それは良かった」
ニッコリ、満足そうに鶴見中尉は笑う
な、なにを考えているんだろう…
私を串刺しにするつもりはないのかな…
お茶に口をつけ、「ふぅ」と息を着く鶴見中尉は大変リラックスしている様子で、背もたれにすっかり体重を預けてしまってる
それから何時間経ったろうか、他愛もない身の上話をさせられてしまった私
鶴見中尉は話を聞くのが上手いというか、引き出すのが上手いのかな
切り上げられないまま結局こんな時間になってしまった
この部屋に来た時はまだ空が明るかったはずなのに
今はもうすっかり紺一色に染まってしまっている
『……あの、なにか用があって呼んだのではないんですか？』
「あぁ、随分話し込んでしまったね…
楽しくて、つい、ね」
つい…
私の警戒を解いて何か聞き出すつもりではないか
そう身構えてしまう
「時に北里くん、尾形上等兵について何か報告することはないかい？」
『尾形、ですか』
やっぱり本題はそれか
『…特にないですね』
残念でしたね鶴見中尉
尾形は私に弱味すら見せないんですよ
何か秘密を握ってるんじゃないかって思ってました？
「ふん……ではこう聞こう
脱走を持ちかけられたりはしていないか？」
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
