第四話 雪山の登り方 ページ15
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男女の力の差は歴然で
思いとどまった私は、泣く泣く旭川の地から姿を消すことにした…
……
『なーんて言うとでも思ったか！！！尾形め！！！』
ワハハ！！！と大口を開けて笑った途端、近くにいた鳥がバサバサバサァ！と音を立てて木から飛び去った
お生憎様！
あんな目に遭っても懲りない性分でしてね！
私は1度やると決めたことはやり抜くタチなのよ！！
留学帰り舐めんな！！
なんなら昨日は、尾形に言われたことが悔しくて5時間しか眠れなかったんだから…
脅迫されて襲われかけたというのに、まったく気にも留めていない私は、朝礼後に銃を抱えて山に入っていく尾形を尾行していた
そう、脅迫されたのだからこちらも脅迫し返してやればいいのだ
こっそりと様子を探り、弱みの一つや二つ握ってやればこっちのもんでしょ！
脅迫返しよ！
『見てなさい！尾形千之助…』
「准尉、桁が違います、百之助です。」
『ホァァッ！？つ、月島軍曹！』
木の影に隠れて笑っていた私の後ろにはいつの間にか月島軍曹が立っていた
じぃ、と真顔で見つめる瞳が怖い…
何考えてるのこの人…
しかも近い！顔めっちゃ近いよ軍曹ォ！
というかまったく気づかなかった
私いつからつけられてたの！？
尾行してたくせに尾行されてるなんて…恥ずかしい…
「……あまり遠くへ行っては危険ですからね」
『…へぃ』
それだけ言うと月島はくるりと踵を返し、遠くへ見える兵舎の方へと山を下って行った
し、心配してくれたのかな…？
『あ…もうあんな遠くに…』
ここにいる男達は皆、突然現れたり、人を見つめる癖があるのか驚かされることばかりだ
未だにバクバクと波打つ心臓を落ち着かせようと深呼吸をする
冬の雪山の凍てつく空気を肺いっぱいに取り込めば、肺が凍りついたのではないかと疑う程に胸が痛くなる
走ればすぐに息が上がり、雪で足を取られ上手く前には進めない
どんどん離される距離に焦りが募る
『はぁ…は、あいつ歩くの早すぎない？
え！？まって…い、いないし…』
山に入って数十分経っただろうか
ツラい上り坂が続いたせいか、30メートル間隔で追っていた尾形の姿を見失ってしまった
しかも夢中で追ってたからか
ここがどこかも分からない
『ここどこ…寒い…』
私、もしかしてもしかしなくても
迷ったぁ……？
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
