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なんてこと…
寧一郎が東京で事故にあったことがもうここまで伝わってるなんて…
ここに来ることは隊の誰も知らないはず
怪我のことが伝わっていることが知れて良かった
突然帰ってきた負傷兵の頭に包帯が巻かれていないと怪しまれてしまうところだった
あとで巻いておかないと…
五分ほど歩き、尾形と一緒に第七師団本部に到着
よく考えたら私、本部の場所分かんなかったわ
尾形がいないとまともに辿り着けなかったかも…
なんとなく嫌な奴って思ってごめんね！尾形ちゃん！
「…鶴見中尉は2階の1番奥の部屋にいると思いますよ」
コートの雪を叩き落とす私を、ジーッと見つめる尾形はそう言った
居場所も教えてくれた！
なんて優しいの！
『ありがとう、助かるよ！じゃあ、僕は行くね…』
そう言って尾形の横を通り抜けようとした瞬間
「そんな風に笑う人でしたっけ？」
ボソリと尾形が呟いた
『えっ…』
振り向いた時にはもう尾形の姿はなかった
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『き、北里、只今戻りました！』
ついにやって来てしまった…
つ、鶴見中尉殿とかいう噂の上官の元に…
鶴見中尉であろう軍服の男性は窓の外を見ていて、顔はまだ確認できていない
でもなんだろう、この威圧感と緊張感は…
「北里くーん…
ご実家の方で事故にあったと聞いたが…
もう快復したのかね…？」
『は、はい！脳を損傷しており、多少の記憶障害がありますが全快であります！』
「そうか…では我々は頭を怪我した者同士、脳ミソ怪我友達だな！」
〜2人はケガとも〜
そう言って
くるりと、軽やかに振り返った鶴見中尉の姿にギョッとした
前頭部、おでこに貼り付けた頭蓋骨のような謎の白いマスク
ギョロリとした真っ黒い瞳と視線がかち合うと、息をするのも忘れてしまう
初めて見るその異様な出で立ちに身体が硬直した
「おや…？」
ゆっくりとこちらに近づく中尉は、ニコニコと笑みを浮かべているがそれが尚更…
怖い！！！
こわいこわい！！
もう、鶴見中尉の顔が息がかかる程近い
「北里くぅん…キミ…」
私と寧一郎は瓜二つ
成長した今だってそうだ
背丈も、髪質、目の色、肌や歯の白さだってまったく一緒だ
声だって似ていて
他人から見ればバレるはずなんてない
『あ、あの…』
「雰囲気変わった！？」
『え』
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
