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1つは、いつも誰かと一緒に行っていた湯浴みに
一人で行くようになったこと
まあ、趣向が変わったのだろう
そこまで気にしていなかったが、念の為中尉に報告をした
そうかそうか、と顎をひと撫でして笑うだけだった
次に気になったのは、以前のような雰囲気ではなくなったこと
何事も丁寧で紳士的だった彼が
眠そうに欠伸をしたり、ボタンを1つ掛け違えていたり何かと抜けている姿や
大口を開けて笑ったりする姿が目につくようになった
談話室で話すことはあっても、基本的には自身の執務室で仕事をしたり読書をしていることが多かった北里准尉が、最近やたらと他の兵士たちと打ち解けており
談話室で花札をしながら、二階堂たちと一緒になって騒いでいたりと、普段の彼らしくなかった。
准尉が谷垣の尻を叩き始めた時は、飲んでいた味噌汁を吹き出してしまった
数人で酒を飲みに行く姿にも驚かされた
しかも結構な飲兵衛らしく、野間や岡田と肩を組んで帰ってくるのだ
それにはさすがの鶴見中尉も驚いたのか、目を丸くして
「以前はまったく飲まなかったのにねぇ…」
と、こぼしていた
更に追い打ちをかけるように、准尉はあの尾形を手なずけ始めた
異変に気付いた時にはもう遅い
尾形は准尉の後ろをついて回る雛鳥になっているではないか
雰囲気はあまり良くないが、あの尾形が楽しそうにしている
鶴見中尉も頭を抱えていた
一体なにが起きているのですか、そう中尉に聞くと
「北里が双子だって知っていたかい？」
そう聞き返してきた
双子？だからなんだと言うのだ
中尉が爪で机をコツンと叩く
「男女の双子でね、寧一郎は弟らしい」
…いや、まさか
有り得ない
その双子の片割れと入れ替わってるとでも言いたいのか？
…バカバカしい
そんなことはできるはずがない
そもそも女がここにいたらすぐに気づく
冗談をやめろと笑い飛ばそうとした時、准尉が帰ってきた日の鶴見中尉の言葉を思い出した
パズルのピースが埋まっていくように
ストン、と納得し始めた自分がいる
「まさかとは思いますが……」
俺を見つめる中尉の目が
三日月のように弧を描いた
「君の今想像した通りだ月島
北里寧一郎は双子の姉、北里Aと入れ替わってる」
「ここに還ってきたのは姉の方だ」
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
