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『っくぅ〜！！これだわ！』
お猪口が机に当たり、カァン！と軽快な音を立てる
二階堂兄弟に連れてこられた師団通りにある大衆居酒屋
１ヶ月の禁酒から解かれた私は、その喜びと快感に涙を浮かべながらお酒を堪能している真っ最中
だけど…
『あれ？どうしたのみんな』
ポカーンと私を見つめたまま固まる二階堂兄弟と谷垣
どうしたんだろう、料理が冷めちゃうのに
「准尉、やっぱりなんか変わりましたよね」
「変わった変わった」
『そ、そうかな？』
「なんというか前よりも男らしくなりましたよね」
え〜…
いや複雑ぅ〜〜……
一応いい方向に行ってるんだろうけど…
私これでも良いとこのお嬢様なんだけどなぁ…男らしいって…おいおい…
弟の名誉の為とはいえ、複雑ぅ〜…
『ありがとね…ははっ…』
なんだか虚しいので一気にお猪口2杯をグッと飲み干した
カーッ！あったまるぅ！
「あ、でもね、谷垣は最初准尉のことを女だって勘違いしたそうですよぉ」
「イヒヒッ」
「おい！その話は…」
洋平が谷垣の肩を掴んで揺らすと、谷垣は恥ずかしそうに顔を赤らめた
え、それって寧一郎と谷垣が会った時の話だよね？面白そう！
『なにその話、聞きたい』
「いくら上官の命令でもそれは…」
『怒らないから！教えて！上官命令！』
ね！ね！と谷垣に迫ると、彼は顔を更に赤らめた
二階堂兄弟はその様子を見てニタニタと笑っている
「…旅順行きの船で、初めてお会いしたではないですか。
船酔いした准尉が外の風に当たっていた時です」
へぇ、知らないけど…
『うん』
「失礼なのは重々承知なのですがっ！！その時、准尉の横顔があんまりに美しくて見蕩れてしまいましてっ…！！」
ﾌﾞﾋｨｯと声を立て、谷垣が泣き出し
「うわっ」とドン引きする浩平
「男に見蕩れてしまうなんて！！
准尉殿に申し訳が立たないっ…！！」
ええ〜！？
確かに寧一郎は女顔で愛らしい見目してるけどさぁ…
見蕩れちゃうなんて！
谷垣かーわーいーいー！
『谷垣ちゃ〜ん、ウブだねえ〜？』
「へっ！？」
顔を近づけると、谷垣はキャッ！と手で顔を覆った
なにその乙女な反応
「准尉、酔ってる」
「酔ってる酔ってる」
そう言う二階堂兄弟も顔が赤い
『あ！？ちょっとまってあんたらもう一升空けてるじゃん！！』
私の酒！！
「准尉怒った」
「怒った可愛い」
「かわいいかわいい」
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芝(プロフ) - 鮭マヨさん» コメントありがとうございます。とても励みになります…(;_;)これからもどうぞよろしくお願いいたします。 (2021年9月13日 1時) (
レス) id: ac408ee6ee (このIDを非表示/違反報告)
鮭マヨ - この作品ほど更新が終わってほしく無いと思ったの初めてです…更新めっちゃ楽しみにしてます…！ (2021年9月11日 8時) (レス) id: 9536630108 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芝 | 作成日時：2021年8月31日 2時
